内臓脂肪型肥満に注意|メタボなカラダの改善を!

 日本人の三大死因はがん、心臓病、脳卒中。このうち心臓病と脳卒中を合わせた循環器系の病気を引き起こす原因とされるものに動脈硬化があります。
 加齢とともに動脈も老化は避けられません。そこに喫煙・飲酒やストレスなどが加わると、動脈硬化のリスクが高まるのです。
 動脈硬化によって血管の壁は硬くなり、血液の流れが悪くなります。その結果、その先の細胞は酸素や栄養が届かなくなり死んでしまいます。これが脳で起こると脳梗塞、心臓で起こると心筋梗塞を発症するのです。
 ところが、最近の研究で、肥満がさまざまな生活習慣病(肥満・高脂血症・高血圧・糖尿病)を引き起こし、それらの重なりが「動脈硬化」のリスクを高めることが分かってきました。それぞれの症状は病気とは言えなくても、それぞれの数値が少しずつ高い方がコワイというのです。これがメタボリックシンドロームです。
生活習慣を見直し、メタボな体の改善を
 食べ過ぎや運動不足によって引き起こされる肥満ですが、特に注意したいのは内臓のまわりに脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」です。お腹周りの脂肪が言わばメタボの主役。高血圧、糖尿病、高脂血症をもたらし、動脈硬化などのリスクを増大させるのです。
 05年の厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、40~74歳の男性のうち4人に1人、女性でも5人に1人がメタボリックシンドロームと指摘されています。男性の場合、予備軍まで含めると実に2人に1人がメタボに該当するそうです。体型としては樽型の肥り方
 国の施策として「特定健診・保健指導」が始まり、メタボリックシンドロームも広く知られるようになってきましたが、生活習慣の改善は実行しなければ意味がありません。本紙でもご紹介した岡田麻紀先生考案の「やきとりじいさん体操」など、楽しみながら気軽に運動を継続し、メタボな体を改善しましょう。

メタボリックシンドロームの診断基準

ウエスト周囲径

男性 85cm以上/女性 90cm以上

または、BMI 25以上

BMI=体重㎏÷(身長m×身長m)で算出

25.0以上がいわゆる肥満の状態

加えて以下のうち2項目以上当てはまるとメタボリックシンドローム

脂質 以下のいずれか、または両方 中性脂肪値 150㎎/㎗以上 HDLコレステロール 40㎎/㎗未満

血圧 以下のいずれか、または両方 最高(収縮期)血圧 130㎜Hg以上 最低(拡張期)血圧 85㎜Hg以上

血糖 空腹時血糖値 110㎎/㎗以上

※男性腹囲85cm以上という基準値には、厳しすぎるのでは、という異論もあるようです。