毎年9月は「がん征圧月間」です。


 9月はがん制圧月間。皆さんもいろいろなところでがんの話題に触れる機会も多いことでしょう。今回は、そんながんをめぐる基礎的な情報を整理してみることにしました。

 現在、日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなると言われています。3人に1人というのは、日本人の死因の3分の1ががんである、という意味です。
 がんの死亡率は40歳を越えた頃から上昇し始めます。がんは老化などを原因に細胞が異常増殖する病気とも言われますから、高齢化とともにがんを発症する確立は高くなるわけです。
 それでは、社会の高齢化がさらに進む将来の日本のがん罹患率、死亡率はどうなるのでしょうか。
 厚生労働省「がん生存者の社会的適応に関する研究」2002年報告書では、2015年には「3人に2人ががんに罹り、2人に1人ががんで亡くなる」と予測されています。
 PET診断など、検査方法も著しく進歩し、治療面でも陽子線治療をはじめ革命的な進歩を遂げていますから、がんはいたずらに怖がる必要のない病気になりつつありますが、一方では、日本人の死因第一位であるという事実をきちんと受け止めておきたいものです。
 がんは自覚症状が現れてからでは治療も困難になることが多く、早期発見の重要性を理解しておく必要があります。がんは小さいうちに見つけ、早期治療することで生存率も高くなるのです。同時に予防の意識を持つことも忘れずに。
がんの危険信号8ヶ条(日本対がん協会制定)
 がんは無症状のうちに芽生えます。とくに胃・子宮・乳房・肺・大腸などは、年1回検診を受けましょう。次のような症状があったら、直ちに専門医に診てもらいましょう。
  • ・・・胃の具合が悪く、食欲がなく、好みが変わったりしないか。
  • 子宮・・・おりものや、不正出血はないか。
  • 乳房・・・乳房の中にシコリはないか。
  • 食道・・・飲み込むときに、つかえることはないか。
  • 大腸・・・便に血や粘液が混じったりしないか。
  • ・・・咳が続いたり、痰に血が混じったりしないか。
  • 咽頭・・・声がかすれたりしないか。
  • 舌、皮膚・・・治りにくい潰瘍はないか。
  • 腎臓、膀胱、前立腺・・・尿の出がわるかったり、血が混じったりしないか。
がんを防ぐための12ヵ条(国立がんセンター)
  • :バランスのとれた栄養をとる/いろどり豊かな食卓にして
  • :毎日、変化のある食生活を/ワンパターンではありませんか?
  • :食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに/おいしい物も適量に
  • :お酒はほどほどに/健康的に楽しみましょう
  • :たばこは吸わないように/特に、新しく吸いはじめない
  • :食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる/緑黄色野菜をたっぷりと
  • :塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから/胃や食道をいたわって
  • :焦げた部分はさける/突然変異を引きおこします
  • :かびの生えたものに注意/食べる前にチェックして
  • 10:日光に当たりすぎない/太陽はいたずら者です
  • 11:適度にスポーツをする/いい汗、流しましょう
  • 12:体を清潔に