じゃこ入り炒り豆腐

脳を動かす料理献立集から
 日本人が普段から家庭で食べてきた料理や食材のなかで、健康食として世界的に注目されているものが、日本食にはたくさんあります。そのひとつが豆腐。英語でも「tofu」と表記し、今や世界共通語です。
 日本食イコール健康食というイメージは世界中に広がっているようです。そのきっかけとなったのは1977年、アメリカ上院でのレポートでした。
 「マクガバンレポート」と呼ばれるこのレポートは、アメリカで心臓病やがんによる死亡率の高さが問題視されるなか、「食事(栄養)と健康・慢性疾患の関係」について大規模に調査・研究を進め、7年間の歳月をかけてまとめられたものでした。その結果、肉食中心の食生活に警鐘を鳴らし、食生活改善のための模範として触れたのが日本食だったのです。
 ところが、そこで紹介されたのは「元禄時代以前の日本の食事」。元禄時代以前というのは、精米が進む以前の食という意味ですが、それ以外は野菜や小魚など旬のものを頂くのが理想の食生活ということになるようです。
 そんなことを思いながら、家庭の食卓で当たり前に食べられてきた食材、「豆腐」と「じゃこ」に注目です。
 豆腐は、昔から精進料理の主役として活躍してきた健康長寿食。良質なたんぱく質源で消化がよく、豆腐に含まれる成分が脳を元気にしてくれます。
 原料はもちろん大豆です。大豆は畑の肉とも言われるようにとても栄養価が高いのですが、消化はあまりよくないようです。ところが、豆腐になると消化吸収率が飛躍的に良くなります。9割は水分ですからダイエット食としても人気ですね。
 じゃこはイワシの稚魚を塩ゆでにして7分渇きにした「しらす干し」をさらに干したもの。ともにカルシウムが豊富で、カルシウムの吸収を高めるビタミンDもたっぷり。骨粗鬆症の予防や精神的なイライラ防止に有効です。
 塩分が気になる方は、お湯をまわしかけ、適度に塩を抜いてお召し上がり下さい。

材料(4人分)

木綿豆腐 人参 干ししいたけ 切干大根 ちりめんじゃこ
1丁 1/2本 1個 10g 30g 20g

調味料

しょうゆ 砂糖
大さじ1 小さじ1 大さじ2 大さじ3

作り方

  1. 豆腐はくずしてざるにあげ、20分おいて水気をきる。
  2. 人参は3mm厚さのいちょう切りにし、卵はときほぐす。
  3. しいたけはぬるま湯で戻し、1cm角に切る。
  4. 切干大根は、ひたひたの水で戻し、軽くもみ洗いして水気をきる。
  5. 鍋に油を熱して、人参、しいたけ、切干大根、じゃこを入れ中火で炒める。
  6. 豆腐を加えてポロポロになるまで炒め、調味料で味を調えて、卵を加えて混ぜる。

栄養成分と調理のポイントは総合南東北病院栄養管理科「健康ひとくちメモ」を参考にしています。栄養管理科のホームページは総合南東北病院トップページ右下「栄養管理科」をクリックしてください。