ダ・ヴィンチXi
ロボット支援手術とは
「ロボット支援手術」とは、執刀医がロボットをコントロールしながら行う低侵襲手術です。現在この手術は、da vinciサージカルシステムというアメリカで開発された手術支援ロボットを使用して行います。当院ではda vinci Xiという最新鋭のロボットを導入しています。
“da Vinci”は4本のアームに付けられた内視鏡カメラと3本の鉗子を体内に挿入し、3Dモニターを見ながら操作します。執刀医の手の動きにアームが連動して手術を行う仕組みです。
特徴とメリット
体への負担が少ない
腹腔鏡手術と同様、身体に小さな穴を開けて行う手術のため以下のメリットがあります。
- 傷口が小さい
- 出血量が少ない
- 術後の回復が早い
鮮明な3D画像
執刀医は3Dモニターを見ながら座って操作します。
立体的で高画質、術野を10倍拡大して見えるため、患部の細部まで正確にとらえることができます。
精密な動きを再現
ロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。ダビンチには関節機能があり、手のように動かします。
胃がん・直腸がん手術におけるロボット支援手術
ダビンチを用いた胃がん・直腸がん手術は、2018年4月より、日本国内でも健康保険の適用対象となりました。
※条件により対象外の場合もあります。
胃がん・直腸がんでのダビンチ手術では、腹腔鏡よりさらに繊細な手術ができ、がんの取り残しがなく神経障害を減らせる手術ができることが期待されています。
腹腔鏡手術のメリットをより発展させた手術
- 傷が小さく、出血量が少ない丁寧な手術による体への負担軽減
- 開腹手術や開胸手術では見えにくい奥深く狭い場所でも、明瞭で拡大された視野の下での細やかな操作が可能
当院におけるダビンチ手術対象疾患
胃がん
内視鏡視下による手術で難しいとされている処置も、より安全で正確に行えるため、合併症や再発のリスク軽減が期待できます。
ダビンチで行える胃がん手術
- 幽門側胃切除術
- 噴門側胃切除術
- 胃全摘術
直腸がん
腹腔鏡手術では深部に進むほど動き幅が大きくなるためブレやすく、操作に制限がありました。「ダビンチ」は独自の手ブレ防止機能や人の手首以上の可動域を持つ鉗子によって、深部での処置が正確に行えます。
ダビンチで行える直腸手術
- 直腸切除術
- 直腸切断術
当院の取り組み
南東北グループでは、PETを用いたがん検査をいち早く導入し、さらに陽子線治療やサイバーナイフ、最新リニアック（IMRT)治療などを通して世界でも最先端の医療を実践してきました。こうした実績の上に導入されたのがダビンチです。低侵襲かつ最適な治療法の選択肢を提供いたします。“負担の少ない治療”を受けるためにもっとも大事なこと、それは検診や検査を受け病気の早期発見です。
よくあるご質問
ロボットが自動で手術するのですか？
「ダビンチ」は、所定の訓練を受けた認定医が操作して手術を行います。逆を言えば、人の手によって操作されなければ動きません。医師の技術を補助するのがロボットとお考えください。
安全性は確かなのでしょうか？
ロボット支援手術は十分な訓練を経て認定を受けた医師のみが行うことができ、器械自体にも正常な動作を維持する機能が数多く備わっています。手術に携わるスタッフも訓練を積み、徹底した安全管理のもとに行います。しかしながら、ロボット支援手術に限らず、全ての手術にはリスクを伴いますので、事前に十分に医師の説明を受けてください。
入院期間は？
手術の部位や範囲によって異なりますが、従来の開腹手術と比べると短くなる傾向があります。傷口が小さいため回復が早く、多くの患者さんの術後経過は良好です。
費用は？
疾患により費用は異なりますが、健康保険を適用できる可能性が高く、高額療養費制度も利用できます。詳しくは、主治医におたずねください。
リスクと注意事項は？
患者さんそれぞれの病状や健康状態により、大きく異なります。詳しくは主治医からご説明いたします。
