内臓脂肪による肥満は、ぽっこりお腹が特徴で、いわゆるメタボと呼ばれ、糖尿病などの生活習慣病の要因となるなど健康によくないとされています。
　 健康維持のために、内臓脂肪を効果的に減らしましょう。

皮下脂肪と内臓脂肪

　 人間の身体に付く脂肪には「皮下脂肪」と「内臓脂肪」とがあり、いずれも主たる物腰見としては同じものです。ただし、脂肪の付く場所やその役割などが異なります。
　 皮下脂肪の場合、命にかかわる病気に直結するような問題を起こす心配はとりあえずありませんが、内蔵脂肪から分泌される物質のなかには身体に悪影響を与える物質が多く含まれています。糖尿病や高血圧、高脂血症といった病気を引き起こす原因となる恐れがあります。
　 そんな内臓脂肪を効果的に減らすには、二つの方法があります。一つは運動、もう一つは食生活を改善すること。それぞれ、詳しく見ていきましょう。
　

内臓脂肪を落とすには

　　 代謝が活発である内臓脂肪は、皮下脂肪に比べ　「付きやすく、落としやすい」といわれます。しかも運動や食事制限によって体重を減らす場合、内臓脂肪のほうが先に落ち始めます。さらに運動によって体重を減らそうとするなら、激しい運動よりも「有酸素運動」のほうが効果があります。
　 有酸素運動は20～30分以上、毎日続けることで効果が現われるといわれていますが、例えば10分間しかやらなかった日があっても、脂肪を燃焼させる効果がまったくないというわけではありません。むしろ何も運動をしない日があることのほうが問題です。
　 また、近くの買い物は車を使わずに歩いたり自転車で行く、エスカレーター・エレベーターを使わず階段を使う、さらには通勤で電車やバスを使う場合は、一駅、一停留所前で降りて、なるべく歩くようにしましょう。じんわり汗ばむくらいの遠歩きが基本です。こうした日常の運動を無理なく続けることが、内臓脂肪を減らすことにつながります。

 

 

筋力低下を防ぐ腹筋ストレッチ

　 30歳代ころから始まるといわれる筋力の低下ですが、筋力が落ちることから基礎代謝の低下を招き、脂肪が燃焼されず体脂肪が増えてしまうという悪循環が見られます。
　 そこで、基礎代謝アップに効果的な腹筋運動をおすすめします。腹筋を鍛えると、基礎代謝がアップして、脂肪が燃えやすい身体になるのです。

食生活で内臓脂肪を減らす

　
　 内臓脂肪を減らすためには、食生活の見直しも重要です。内臓脂肪による肥満の人は緑黄色野菜をあまり摂らず、間食が多いという傾向が見られます。また、糖分の
摂りすぎにも気をつけましょう。トンカツや揚げ物など脂っこいものを好む人は、食べる量を減らしたり、プーアール茶やウ一口ン茶など体内から脂を流してくれるお茶を飲んだりするのも効果的です。飲み物は基本的にお水やお茶でいいのですが、お腹が膨れる炭酸水は起床時や食前、食事の際にもおすすめです。
　 しかも炭酸水は血管を広げて血流を良くしますから、血管にたまった老廃物を押し流し、代謝アップ、ひいてはやせやすい体質づくりに貢献します。
　 ただし、炭酸といっても糖分の入った清涼飲料水は避けてください。カロリーゼロのただの炭酸水にしましょう。冷たく冷やしたものより、身体を冷やさないためには常温で飲むのがよいでしょう。
　 また、ジュースや缶コーヒーなどの清涼飲料水にはかなりの量の糖分が含まれているということも知っておきましょう。
　 体型維持のためにひたすらやせようとして、ただ食事を減らせば良いというものではありません。
　 毎日適度な運動を続けること、そして摂取カロリーと消費力ロリーのバランスの取れた食事が、効果的に脂肪を減らすポイントです。
　 内臓脂肪を減らして健康的にやせ、さわやかな風のなかをさっそうと歩きましょう。

－すぐに役立つ暮らしの健康情報－こんにちわ 2016年5月号：メディカル・ライフ教育出版　より転載