特別な痛みやかゆみもなく、ある日突然、（500円硬貨ほどの起きさで）髪の毛が抜け落ちている……。そんな円形脱毛症は、年齢…性別を問わずに起こります。

円形脱毛症は、髪の毛を大切に扱うことの多い女性にとって、精神的に大きなショックを受ける病気でもあります。

 

 

円形脱毛症の原因

　　円形脱毛症は、「自己免疫疾患」に分類される病気です。

　　自己免疫疾患とは、正常な身体細胞に対して誤った免疫反応が起こることで結果的に健康が損なわれてしまう病気です。自己免疫疾患は、トラブルが起こりやすい体質に、ストレスや疲労といった要因が重なったときに発病しやすくなります。

　円形脱毛症の場合は、毛根を異物とみなした免疫反応により、脱毛が起こります。アトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギーがすでにあり、日頃から強いストレスや疲労を感じている方は注意が必要です。

円形脱毛症の治療

　円形脱毛症に気づいたら、悩まずに、なるべく早く皮膚科や専門外来を受診するようにしましょう。円形脱毛症は自然に治ることも多い病気ですが、その一方で再発を繰り返したり、病気が悪化するケースもあります。早い段階で治療を受けることで、こうしたリスクを低減することができます。

　円形脱毛症の治療では、抗アレルギー薬やステロイド薬がおもに使われます。重症化している場合は、頭皮に人工的な刺激を与えて免疫反応を抑える治療法も検討されます。

　円形脱毛症の治療には個人差があり、ある程度の期間がかかります。病気自体がストレスとなってさらに症状を悪化させることのないよう、治療期間中は、かつらやつけ毛の使用、あるいは髪型を工夫してみるといった対策を取るのもよいでしょう。

 

 

－すぐに役立つ暮らしの健康情報－こんにちわ 2016年11月号：メディカル・ライフ教育出版　より転載