広報誌 南東北

 

加齢に伴う脚力の低下と運動

有酸素運動のみで筋力低下防げず 健康維持・向上には”筋トレ”

血行良くしかぜの予防

 先月はサルコぺニアについて話しましたが、「サルコぺニア」は加齢による筋肉量の減少を指し、筋力の減少については「ダイナペニア」、加齢や疾患による筋肉量と筋力の低下全般においては「ミオぺニア」と考えるのが一般的です。いずれにせよサルコぺニアやダイナペニアは転倒、骨折のリスクを高め、日常における自立性を阻害する大きな一因となります。
 加齢に伴う脚力の低下ですが、Journal of Strength & Conditioning Research 9月号の研究論文によると、定期的に持久性運動を行う人を対象に経年変化を調査したところ等尺性膝伸展と膝屈伸力がそれぞれ年5%と3・6%有意に減少したことが分かりました。このことからウォーキングやジョギングなどの有酸素的運動のみでは筋力の低下を防ぐことは不十分であることが予見され、高齢者のトレーニングデザインに一考を要することが分かります。
一方、健康な若者が短期間でも筋肉を使わないでいると急速に「廃用性筋委縮」を起す研究も発表され、タンパク質を摂取してもアナボリック(筋肉同化)抵抗性が高まって筋肉量の低下に大きく関与してしまうことも分かりました。健康と言えば有酸素運動というイメージが強かったフィットネスですが、どうやら老いも若きも「筋力トレーニング」が健康の維持向上とアクティブな生活へのキーワードのようです

(エルフィット チーフトレーナー 仲田貴之 郡山市八山田3―8―3 ☎024―991―1045)

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