広報誌 南東北

 

舌下錠

溶ける設定は2分以内 舌湿らせ飲むと効き目大

 明けましておめでとうございます。2014年最初は舌下錠についてご紹介します。
 舌下錠とは舌の下側に入れて急速に薬剤を口の粘膜から吸収させる錠剤のことです。普通の錠剤は30分以内に崩壊するように設定されていますが、舌下錠は2分以内に溶けるように設定されています。かなり早いことがお分かりいただけると思います。しかも舌下粘膜からの吸収が早いうえに肝臓で代謝されることなく薬が全身の血流に到達し効果を発揮します。
 舌を水や唾液で湿らせてから薬剤を入れると自然に溶けやすく、効き目が出やすくなります。ただし飲み込んでしまうと血流に到達する前に肝臓に行き代謝されてしまい効き目が遅くなったり、本来の効き目が発揮されなくなったりするので注意が必要です。
 代表的な薬剤にはニトログリセリン(商品名:ニトロペン舌下錠)があります。ニトログリセリンは心臓の血管を広げて血流を良くすることにより心筋にたくさんの血液が届き、胸を締め付けるような痛み(心臓発作)を抑えてくれます。速効性の舌下錠を発作が起こったとき、もしくは発作が起きそうな予感がしたときに直ちに使用すると数分で効果を発揮します。ただ心臓発作の原因そのものを治す薬ではないことも理解してください。
 なかなか舌下で溶かす薬を使用する機会は少ないと思います。初めて使用する際には医師や薬剤師の説明をしっかり聞くようにしてください。

(薬剤科 中野洸大)

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