広報誌 南東北

 

いびきを解消しましょう

肥満、口呼吸の改善が先決 横向き寝も解消の一策

 熟睡している人を表現する際「いびき」をかいている姿で描いたりします。通常鼻や口から吸い込んだ空気は円滑に肺まで達しますが、気道が狭いと乱気流が起きて音が出ます。上顎の奥の軟口蓋やのどちんこ(口蓋垂)を振動させて音を出すこともあります。リコーダーや唇を震わせて吹くトランペットと同じ理屈で、これらの音が喉や鼻で共鳴して大きないびきとなります。
 気道が狭くなる原因は舌が大きい、下顎が小さい、首が太くて短い、扁桃腺やアデノイドが大きい、口蓋垂が長い、鼻詰まり、口呼吸、口周辺の筋肉が弱い―など。高齢者は舌や喉の筋肉が弱くなり仰向けに寝ると舌が喉に落ち込み気道が狭くなります。肥満も危険因子です。いびきは男性に多い印象だが、女性もかなりいます。大半は顎の小さい人。飲酒後いびきをかくのはアルコールが体に水分を貯める働きがあり、酔って眠っているうち喉がむくみ、気道が狭くなるためです。
 いびきの状態を確かめるにはビデオ撮影などの方法がありますが、仰向けに寝ていて起こる場合は横向きに寝るようにすると軽減できます。飲酒後にいびきをかく人は節酒や飲酒後2時間過ぎて寝るなどの方法が有効。肥満の方は生活習慣を改善し、喉の肥満を解消するのが先決です。
 いびきは睡眠障害だけでなく心不全や不整脈、動脈硬化、高血圧、脳梗塞と言った病気のリスクも高めます。さらにいびきをかいている時に呼吸が止まった状態を繰り返す「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)では原因となった病気の危険だけでなく日常生活において致命傷を誘発する場合があります。慢性的ないびきは耳鼻咽喉科を受診して下さい。いびきの治療は主にマウスピースを使用したり、機械で空気を送って睡眠中の呼吸状態を安定させるCPAP治療があります。いずれも自宅で治療ができ健康保険も適用されます(CPAP治療は月1回の通院と保険適用要件あり)。

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