広報誌 南東北

 

運動は食欲を抑える?

激しい運動後の食欲は低カロリー食 水分奪われ喉の渇きに起因

 American Journal of Clinical Nutrition 2月号に発表された英国の大学の研究で「強度の高い有酸素運動をすると食欲は抑えられ、かつ脳の報酬系領域は高カロリー食品に対して非活性化し、低カロリー食品に対して活性化する」ことが分かりました。
 この研究は健康な男性15人に60分間、高強度の有酸素運動(Vo2max 70%)と安静時の対照試験を実施し、高カロリー食品と低カロリー食品のイメージを、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて神経応答を比較したものです。運動は食欲亢進ホルモンであるグレリン濃度を有意に抑え、食欲抑制ホルモンであるペプチドYYの分泌を高めました。また運動後は、安静時に比べ低カロリー食品の画像を観察した時に脳の報酬系領域は活性化され、高カロリー食品の画像を観察した時には抑制されました。つまり高強度の運動をすると高カロリー食品に対する食欲は抑制され、どちらかといえば低カロリー食品に対しての食欲が高まるということです。これは運動中体温が上昇し、体内から水分が奪われ喉が渇くことに起因します。一般的に野菜や果物など低カロリーの食品は水分を多く含んでいるため、低カロリー食品のほうに強く反応すると思われます。
 運動は減量のための必須事項となりますが、運動中の活動代謝、EPOC(運動後のエネルギー代謝)のみならず、このように食欲を調整するホルモン分泌にまで関わっているわけです。もうすぐ暖かい風が吹く季節です。少し息が弾む程度の運動を心がけましょう。

(エルフィット チーフトレーナー 仲田貴之 郡山市八山田3―8―3 ☎024―991―1045)

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