広報誌 南東北

 

リバウンド現象

薬は自己判断で止めずに医師・薬剤師に相談して!!

 「薬を自らの判断で止めずに医師・薬剤師に相談してください」というメッセージを耳にしたことはありませんか。薬を使っていて症状が治まった、薬との相性が悪い、薬が効いていない―などと自己判断で止める方がいますが、相談を呼びかける理由の1つが「リバウンド現象」です。
 リバウンド現象は急に使用を止めた場合、それまで抑えられていた反動から逆に症状が悪化する現象。例えば抗菌薬の服用で日ごと細菌数が減り、症状が軽く感じられるようになりますが、服用が充分でないのに急に止めると生き残った細菌が再び増え一層強い症状を来す事があります。降圧薬の一部でも血圧が下がり、症状が安定したのに急に止めると血圧が反動的に上昇することが起こりえます。
 ステロイド薬の場合は体外から副腎皮質ホルモン様物質を与えているため、元々副腎(体内)で造られている副腎皮質ホルモンの量が減ります。その状態でステロイド薬を止めると体外からの供給が無くなり、体内でも造られていないためバランスが崩れ、ひどい症状が再発する恐れがあります。胃潰瘍における胃酸の分泌を抑える薬の場合、痛みが治まったため薬を急にやめてしまった結果、大量の胃酸分泌が起こり、充分に治りきっていない潰瘍部分から出血することがあります。
 列記した現象は一部の例にすぎません。医師が薬の使用を考える際は、リバウンド現象も踏まえて判断。その手法も段階的に減らす・作用の弱いものへと入れ替えていくなど対応は様々です。薬の使用を自分で判断することが命に関わる事もあります。

(参考:日本製薬工業協会HP、薬剤科:海老名加小里)

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