広報誌 南東北

 

脳神経疾患研究所と日大工学部が共同研究


記者発表する左から渡邉理事長、出村学部長ら
 総合南東北病院などを運営する脳神経疾患研究所は、郡山市の日大工学部とセンサー技術を活用した先端医療機器の共同研究開発に乗り出し、3年間でがんや認知症診断など新たな機器の実用化を目指します。8月19日(火)に同研究所の渡邉一夫理事長、同工学部の出村克宣学部長と酒谷薫次世代光学技術研究センター長が南東北がん陽子線治療センター内で記者会見して発表しました。
 同学部は今春から大手半導体メーカー「ローム」(本社・京都市)と連携しセンサー技術を活用して医療機器開発に取り組んでいます。今回の共同研究では、脳神経疾患研究所がこれら開発した医療機器の臨床現場で有効性の実証を担当し製品化を目指します。
 研究テーマは①手術中に肉眼で難しい腫瘍などを診断できる装置②心臓バイパスや脳の手術中に血流の流れを確認できるモニタリング装置の開発③高齢化が進み重要性を増している認知症の早期診断ができる装置④神経リハビリテーション法―などの開発です。
 共同開発は今年度から平成28年度までの3年間です。開発した機器は同28年春に開所予定の県医療機器開発・安全性評価センターの協力を得るとともに県内の中小企業とも連携して実用化と製品化を進める考えです。
 渡邉理事長は「連携で素晴らしい医療機器の開発ができる」、出村学部長は「医療工学技術として地域貢献したい」と語っています。

26年度版南東北グループ年報できる


発刊された26年度版年報
 総合南東北病院を中心とする南東北グループの平成25年度中の活動状況をまとめた「平成26年度版南東北グループ年報」が、このほど出来上がりました。
 26年度版は、東日本大震災から2年過ぎても福島県では原発事故の影響から依然として10万人を超す県民が避難生活を余儀なくされ、除染など復興策の遅れや少子高齢化の進行、医師・看護師不足が深刻化する中で積極的に活動する南東北グループの動きを取り上げているほか各種データを収録しています。
 主な活動では、25年7月1日の南東北新生病院新病棟オープンはじめ26年秋に開所予定の子どもと障害者・高齢者が一緒に入居する総合南東北福祉センター八山田の着工、同年末完成を目指す総合南東北病院管理棟の着工などを取り上げています。また厚労省が育児休業取得向上策として募った「イクメン企業アワード」で三成会が初代グランプリを獲得したことやベトナム国家大学ホーチミン校幹部が本院の視察に訪れたことなども収録され、国際化をにらんだ同グループの前向きな取り組み姿勢がうかがえます。

120人が認知症への理解深める


認知症を学び合ったフォーラム
 「言語聴覚の日」(9月1日)にちなんだ県言語聴覚士会とエーザイ主催の「認知症フォーラムin郡山~認知症の人の思いを読む」は8月31日(日)午後2時から郡山市の総合南東北病院北棟1階NABEホールで開かれ、約120人の県民や医療関係者が認知症への理解を深め合いました。
 阿久津由紀子会長(竹田綜合病院)があいさつした後、同会の前会長で顧問を務める佐藤睦子総合南東北病院神経心理学部門科長を座長に大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室の数井裕光講師が「その物忘れ大丈夫?知っておきたい認知症の話」と題して講演。アルツハイマー病はじめ認知症をもたらす代表的な疾患について分かりやすく解説しました。また東北大大学院高次機能障害学分野の松田実准教授が「認知症の人の思いを読む」と題して講演。認知症患者には相手を尊重しつつ優しく対応すると妄想・暴言等の症状を和らげられると強調しました。講演後、抗認知症薬の扱い方、血管性認知障害とアルツハイマー病の対応の違いなどの質問も出され、関心の高さを示しました。

高まる救急医療への関心 昨年上回る救急の日行事来場者

 9月9日の「救急の日」にちなんだ総合南東北病院の救急の日記念イベントが、9月6日(土)正午から郡山市日和田町のフェスタ2階催事場で開かれ、買い物客など市民でにぎわいました。救急医療や応急手当の大切さを理解するとともに緊急時や災害時に役立つ知識・技法を身につけてもらおうと毎年開いています。
 会場には身長や体重・体脂肪率、血圧測定はじめ血管・肺年齢測定、看護・福祉などの相談コーナーのほかマットの上で心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)を体験できるコーナーも設けられ、同病院の管桂一副院長(麻酔科)ら医師と看護師たちが指導と相談に当たりました。
 東日本大震災以来、救急医療への関心度が高まっていますが、今年は昨年以上の来場者。中高年はさっそく体重や血圧を測って健康度をチェック。中にはスタッフの説明を聞きながら人形の胸を押したり人工呼吸をしたり、真剣な表情で心肺蘇生法に挑戦する親子連れが目立ちました。


健康度をチェックする市民たち

熱心に心肺蘇生法を学ぶ子どもたち

8月の手術件数

 8月の手術件数は594件でした。内訳は眼科155件、外科109件、整形外科65件、形成外科59件、脳神経外科55件、耳鼻科43件、泌尿器科24件、心臓血管外科21件、婦人科17件、放射線治療科(陽子線)14件、呼吸器外科12件、歯科口腔外科6件、放射線科5件、周産期センター4件、消化器内科2件、循環器科2件、小児心臓外科1件です。

8月の救急車台数

 8月の救急車台数は449台でした。時間外の受診患者さんは1299人でした。

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