広報誌 南東北

 

お酒と肥満

アルコールはエンプティカロリーでも 注意すべきは〝酒の友〟と深夜飲食


 「天高く馬肥ゆる秋」。食べ物のおいしい季節になりました。また「読書の秋」でもあり夜が長く、物想いに耽りながらついつい杯を重ねてしまいがちです。今回は「お酒と肥満」の話。よく「お酒はエンプティーカロリーだから太らない」といわれますが、この場合のエンプティー、いわゆる「空っぽ」は人の身体に蓄積しないエネルギーではなく、ほぼ栄養成分を含まないエネルギーという意味。つまり栄養成分は含まないが、カロリーは含まれているという事です。例えば缶ビール350mlは140kcal、日本酒一合は185kcal、健康志向の方が好むワインは180ml当たり130kcalというように、ご飯茶碗1杯程度のエネルギーを持っていることになります。
 それでもなぜお酒は太らないといわれたのでしょう?それはアルコールの代謝特性にあります。アルコールは体内で他のエネルギーよりも優先的に利用されます。酒を飲むと身体がすぐに温かくなるのはそのせいだし、様々な身体活動にも最初にこのエネルギーが使われるため太らないといわれるようになりました。
 ところが、ここに落とし穴があります。優先的に使われるアルコールのエネルギーが体内にあると、それを使い終わるまで他の食品から摂取したエネルギーは使われにくく脂肪として蓄えられてしまいます。また夜遅くの飲食によって余剰となったエネルギーは、午前2時ごろに活性を高める時計遺伝子B―MAL1によって体脂肪に合成されます。このようにして酒呑みは太っていきます。「バッカスはネプチューンよりも多くの人を溺死させる」。いや御用心、御用心!

(エルフィット チーフトレーナー 仲田 貴之 郡山市八山田3―8―3 ☎024―991―1045)

トップページへ戻る