広報誌 南東北

 

独自の感染予防週間、多彩な行事


医療機器などを点検する宮元室長(左)ら

市民の関心を集めた「手洗い実践」
 総合南東北病院が独自の運動として実施している「感染予防週間」が10月6日②から11日⑦まで病院挙げて繰り広げられました。6回目の今年は「医療関連感染の集団感染」がテーマ。患者さんを含む市民向けにパネル展示や手洗い実践指導を実施。職員向けには院内巡視を強めたほか研修会や映画会を開いて予防意識の徹底を呼び掛けました。
 市民に感染予防への関心を高めてもらうパネル展示は6日から本院中央棟1階外科外来前で開催。デング熱や世界の感染症、インフルエンザのワクチン、C型肝炎、はしか、集団感染の予防と対処法などの解説パネルを展示するとともに感染対策関連の医療用品などを紹介し〝備え〟の大切さを訴えました。
 手洗いの実践指導は8日と10日に同会場で行われ、来院した市民に普段通り手洗いしてもらった後、専用の機械に手を当てて汚れが取れているかどうかチェックしてもらいました。自分では丁寧に洗っているつもりでも指や爪に汚れが残っている人もかなりおり、スタッフに指摘された市民は驚いた表情。スタッフに正しい手洗いの手順の指導を受けて改めて手洗い、汚れの落ち具合を確かめていました。
 今回テーマの「医療関連感染」は従来の「院内感染」が改まった用語。病院職員の意識向上がカギを握るため今回は職員向けの感染予防講演会や研修を多く開催しました。
 7日にはNABEホールで金光敬二福医大教授が「病院を脅かす医療関連感染」と題して講演。今夏、東京で発生したデング熱、西アフリカから世界に拡大しているエボラ出血熱に対し「他所事ではない。警戒すべきだ」と感染対策の強化を呼びかけました。
 8日は岡本圭司化学及血清療法研究所ワクチン事業部門主任が「集団感染を防ぐためにできること」をテーマに講演、医療従事者が守るべき感染予防の基本徹底を訴えました。
 7日から10日まで4日間は院内感染予防ラウンドを実施、宮元秀昭感染対策室長らが本院はじめ新生病院、ゴールドメディアなどを巡視。ウイルスなどの感染源になりやすい個所を点検したり、医療機器の処理、ゴミの分別処理状況などをチェックしました。
 また水・金曜日のカンファレンス時に研修会が開かれ、肺炎やインフルエンザ感染対策に対する指示や注意点の指導などが行われました。9日には映画会が開かれ、HIV感染訴訟を扱った米国のアカデミー賞作品「フィラデルフィア」を上映しました。職員や一般市民も詰めかけ話題の映画に見入っていました。

東北初、福祉事業団は「BBB+」 日本格付研究所が格付発表

 南東北グループの社会福祉法人「南東北福祉事業団」(渡邉一夫理事長)が、⑭日本格付研究所(JCR)から9月9日付で「長期発行体格付はBBB+(トリプルBプラス)、格付の見通しは安定的」と格付されました。同事業団は郡山市日和田町の総合南東北福祉センターや川俣町の南東北シルクロード館、東京都中野区の江古田の森など特別養護老人ホーム、障がい者支援施設などを運営しているが、社会福祉法人の信用格付取得は東北で初、全国でも珍しい。
 同研究所は、長期発行体格付を「AAA」から「D」まで11段階に分けており「BBB+」は4番目。格付けの理由として収支構造や財務基盤、地域ニーズに対応する積極的な事業展開、グループにおける位置づけや協働体制などを評価した―としています。
 同福祉事業団は平成11年に総合南東北福祉センターを創設し16年に川俣町、19年に中野区へと拠点を拡大しており、利用者の確保は順調で入所系サービスもほぼ満員で推移。人材面でも厳しい採用環境にもかかわらず医師や看護師、リハビリスタッフなど医療系専門職の確保に際して南東北グループの人材基盤をフル活用するなど強みを生かして対応しています。現在、総合南東北病院東に高齢者と障がい児・者の複合施設「総合南東北福祉センター八山田」を建設中。11月1日にオープンする予定で、地域の福祉ニーズに対応するとともにグループの事業基盤強化にもつながる事業とみられています。

日和田中生が看護・介護法を学ぶ 2年生10人が職業体験


足を洗う看護業務を体験する日和田中生たち
 将来の進路として医療や福祉現場で働くことを目指す郡山市・日和田中の2年生たちが9月4日、総合南東北病院で看護や介護の実際を学びました。「職業と共に生きる」をテーマとする同校の総合学習の一環で同病院には10人が訪れました。
 朝9時に来院した生徒たちはまずオリエンテーションで注意事項などを聞いた後、5人ずつ看護部門と介護部門に分かれて実習をスタートしました。このうち看護部門では、プロの看護師が患者の血圧や血糖値を測定したり、電子カルテに記録を入力する様子を見学したほか食事の介助や患者の足を洗うなどの業務を緊張した面持ちで体験しました。
 実習終了後に反省会が開かれましたが生徒たちからは「足を洗ってあげた患者さんから、気持よかった、と声を掛けられて嬉しかった」「緊張して患者さんとうまく会話ができなかった」などの感想が聞かれました。

9月の手術件数

 9月の手術件数は622件でした。内訳は眼科214件、外科84件、整形外科72件、形成外科52件、脳神経外科48件、泌尿器科43件、耳鼻科33件、心臓血管外科28件、呼吸器外科12件、婦人科12件、放射線治療科(陽子線)6件、歯科口腔外科6件、周産期センター5件、放射線科3件、小児心臓外科3件、消化器内科1件です。

9月の救急車台数

 9月の救急車台数は412台でした。時間外の受診患者さんは1225人でした。

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