広報誌 南東北

 

仮面高血圧

 音もなく忍び寄る殺し屋“サイレントキラー”と呼ばれる高血圧の中で「仮面高血圧」が注目を集めています。健康診断などで血圧測定した時に正常な範囲の値であれば誰でも安心しますが、血圧は時間帯や環境で変わります。例えば家庭で朝、血圧測定した時は高くても昼病院の診察室で測ると正常な値になっていることがあります。診察室での測定だけでは高血圧かどうか分からない、仮面をかぶった隠れ高血圧という意味で「仮面高血圧」と呼びます。逆に医師や看護師など白衣姿を見て血圧が上がるのを「白衣高血圧」といいます。
 仮面高血圧は早朝の血圧が高い早朝高血圧、夜寝ている時間帯の血圧が高い夜間高血圧、ストレスに血圧が敏感に反応するストレス高血圧に分類されます。仮面高血圧は、良好に治療できている場合や白衣高血圧に比べ、心筋梗塞や脳卒中のリスクが3倍も高くなるといわれます。脳心血管疾患リスクの高い仮面高血圧を発見するためには、家庭での血圧測定が不可欠。寝る前や朝起きて1時間以内などのタイミングで測定しましょう。診察の時に測った血圧で高血圧と診断されなかった人でも何回か家庭で測定して平均で上が135㎜Hg以上、下が85以上の値の場合は仮面高血圧の可能性があります。リラックスした家庭血圧のほうが低い値で高血圧とみなされるので注意が必要です。

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