広報誌 南東北

 

MERS(マーズ)

 MERSは、Middle East Respiratory Syndromeの頭文字を取った略で中東呼吸器症候群(マーズ)と呼ばれ、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症。 原因のウイルスはMERSコロナウイルスでアラブ首長国連邦やヨルダン、カタールなど中東地域を中心に欧州、アフリカ、北米など25カ国で感染、450人近く死亡の報告がある。 全て中東への渡航歴のある人やその接触者。2003年に中国を中心に流行したSARS(サーズ・重症急性呼吸器症候群)の病原体もコロナウイルスの仲間だが、MERSとSARSは異なる。
 潜伏期間は2日~2週間で主な症状は38度以上の発熱、せき、息切れなど。下痢など消化器症状を伴うこともある。高齢者や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全など基礎疾患のある人は重症化する傾向にある。
 季節性インフルエンザのように次々に人から人へ感染することはないとされるが、感染経路は正確に分かっていない。ただヒトコブラクダがMERSウイルスの感染源動物の一つであると考えられる。
 MERSに対するワクチンや特異的な治療法はなく、治療は症状に応じた対症療法。
 韓国では診断の遅れや院内感染対策の不徹底などにより6月末までに死者が32人、感染者が180人超で国民の間に不安が拡大している。感染しないための注意点として厚労省は、発生地域に渡航する際は ①こまめに手を洗う②加熱不十分な食品や不衛生な状況で調理された料理は避ける③果物や野菜は食べる前によく洗うなど食品衛生対策が大切―と呼びかけている。

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