広報誌 南東北

 

増えている人工透析


血液透析の仕組み

腹膜透析の仕組み
腎臓の機能を代替する人工透析 急性腎不全は早急治療で回復可能
 腎臓の働きが低下し、人工透析を受ける患者さんが増えています。糖尿病などの増加によるもので日本透析医学会の調べによると慢性透析患者は平成14年末現在32万人弱で前年より4950人増。 できればやりたくない治療ですが、以前は〝死の病〟と呼ばれた腎不全も人工透析の確立により健常者と同じような生活が送れるようになりました。人工透析について学びます。
 人工透析は、血液中の老廃物を人工的に取り除くために行われる療法(血液の浄化)です。人間の体では、血液の浄化は腎臓で行われ、老廃物は尿として体外に排出されます。 腎臓の主な働きは①尿を作る②血圧の調整③赤血球を作る―などです。しかし機能が10%以下に低下すると腎臓は血液の浄化を十分に行うことが出来ず尿毒症という死に至る病気を引き起こします。 こうした事態を防ぐために人工透析が必要になるのです。
 腎臓の機能が低下する腎不全には急激に機能低下が起こる急性腎不全と長年に亘って徐々に機能が低下する慢性腎不全の2つがあります。急性腎不全は早急に適切な治療を行うことで比較的早く腎機能の回復が見込めます。 しかし慢性腎不全は腎臓へのダメージが長期間に亘り積み重なって起こるため腎機能がある程度低下しないと自覚症状が現れず、早期発見が難しく機能の早期回復は非常に困難です。
 血液を浄化するためには血液をろ過する膜が必要です。人工透析は、機器を使って患者の体外で医療用の膜を通過させる「血液透析」と患者自身の腹部の内臓を覆う腹膜を活用する「腹膜透析」に分けられます。 それぞれにメリット、デメリットがありますが、日本では人工透析の95%が血液透析で行われています。
 血液透析は、腕に内シャントと呼ばれる血液の取り出し口を設け、血液をダイアライザーという装置に通過させて浄化し、体内に戻す方法です。1回当たり4~5時間の治療時間が必要で、週2~3回の通院が必要となります。
 腹膜透析は特別な液体を腹部の内臓が入っている腹腔に入れ、一定時間の後に取り出します。1日に4~6回、こうした治療を患者自身が毎日自宅で繰り返します。 通院の頻度が少ないというメリットはありますが、腹膜に負担がかかり5~6年で血液透析に移行するのが一般的です。
 透析治療を受けている人でも治療以外では、ある程度の食事・運動制限のほかはほとんど健康な人と同じような日常生活を送ることが可能です。 仕事の関係で日中の時間調整が難しい場合は、夜間に人工透析を行っている施設を利用することも出来ます。
 医療費の面では保険制度が整備され、高額療養費制度や地方自治体の助成制度を利用することで少ない自己負担で治療を受けることが出来ます。医師の診断で人工透析が必要となった場合は、1日も早い治療の開始が望まれます。

※腎臓の状態は「血清クレアチニン値」で分かる。腎臓の機能が半分以下に下がると血清クレアチニン値が2mg/dl以上。3mg/dl以上だと腎臓機能が30~10%に低下。8mg/dl以上は人工透析が必要だ。 血清クレアチニン値は健康診断の血液検査でも測っているので数値を確認しよう。


当財団が準大賞を受賞 日印産連の第1回GP環境大賞表彰


準大賞の賞状と盾を披露する渡邉理事長と菅原局長(右)
 日本印刷産業連合会の第1回GP(グリーンプリンティング)環境大賞表彰式は9月16日午後4時からホテルニューオータニ東京で行われ、総合南東北病院などを運営する脳神経疾患研究所が準大賞を受賞。 24日(月)の同病院朝礼で渡邉一夫理事長から改めて賞状が伝達、披露されました。
 同大賞は日印産連の設立30周年の今年、環境に配慮した印刷製品の普及を目指して新設。第1回は昨年度中に紙やインクなど環境にやさしい資材など使用のGP認定工場で印刷されたGPマーク表示印刷物の発注主735社・ 団体(3100種類、2800万部)を対象に審査しました。
 その結果、大賞にはジェイアール東日本企画、本田技研工業、タカラトミーなど5社・団体、準大賞に当研究所はじめ東武鉄道、千葉市など10社・団体が選ばれました。
 表彰は印刷文化典記念式典の席上行われ、稲木歳明日印産連会長が代表に賞状と記念盾を贈りました。当財団から菅原征彦報道情報局長と有馬千尋広報担当が出席しました。 当財団では市民向け広報紙「南東北」「サザンクロス」、院内広報紙「北極星」などを年間14万部発行しています。


患者さんからの礼状

 内視鏡の検査で過呼吸になった時、若い先生が優しく声をかけてくれました。検査を受ける者は緊張して不安を感じています。親身になって声をかけたり、さすってくれたりほんとに心強く感じました。 検査後も先生や看護師さんに優しい心遣いをしていただき感激しました。優しさは患者としてうれしく心強いものです。(MR・女性、48歳)


11月の医学健康講座

 総合南東北病院の11月医学健康講座は11月19日(木)午後2時から同病院北棟1階NABEホールで開かれ、同病院の寺西寧院長(外科)が「食道がんの予防と治療」と題して講演します。 医学講座は毎月第3金曜日に開催していますが、今回は講師の都合により木曜日の開催となります。
 寺西院長は喉と胃をつなぐ食道に出来るがんのリスク要因や予防法などを分かりやすく解説します。入場は無料です。送迎バスは郡山駅午後1時発、病院同3時25分発をご利用ください。

9月の手術件数

 9月の手術件数は636件でした。内訳は眼科215件、外科80件、形成外科63件、脳神経外科49件、外傷センター47件、整形外科44件、泌尿器科42件、耳鼻科29件、心臓血管外科25件、呼吸器外科13件、 放射線治療科(陽子線)10件、婦人科7件、小児心臓外科4件、歯科口腔外科4件、周産期センター2件、麻酔科1件、消化器内科1件です。内科1件です。

9月の救急車台数

 9月の救急車台数は373台。時間外の受診患者さんは1318人でした。

トップページへ戻る