広報誌 南東北

 

便秘と薬

生活習慣の見直しが大事 便秘薬はできるだけ短期使用

 便秘とは、便が大腸内に長時間留まり、排便がスムーズに行われない状態で症状は、便の量が少ない、残便感がある―などです。便の量や回数には個人差があり、毎日便通がなくても苦痛や残便感、 腹部の張りがなければ便秘とはいいません。便秘になったらまず生活習慣を見直すことが大切です。しっかりと睡眠をとる、食事は朝・昼・夕と規則正しく摂る、ストレスを溜めない―などを心がけるようにしましょう。 また体を動かしたり、腹筋をきたえたりして、腸の排便機能を強くすることも効果的です。
 それでも便秘が治らない場合は、薬を使ってみるのも1つの方法。便秘症状を改善する薬には「機械的下剤」と「刺激性下剤」があります。機械的下剤は、便そのものの分量を増やしたり、 便を水分で軟化させ腸に物理的な刺激を加えて排便を促します。「マグネシウム」を含む便秘薬などです。生理的な作用に近いので慣れによる耐性も生じにくく、長期の服用も可能なため、毎日の排便習慣をつけるのにも向いています。
 一方、刺激性下剤は腸を直接刺激して腸の運動を促します。「センノシド」や「ピコスルファート」といった成分が含まれる便秘薬です。強力ですが、連用すると耐性を生じ効き目が悪くなることがあります。 できるだけ便秘時だけにし、短期間の使用に留める必要があります。便秘薬には様々な種類の薬があるので、医師や薬剤師と相談し症状や目的に合った便秘薬を選んでください。

(参考:東京医科大学薬剤部「お薬のしおり」 薬剤科 田島和大)

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