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耳かきや耳掃除が大好きな方も多いと思いますが、正しい耳かきの仕方を知っている方は意外と少ないものです。
耳掃除は、外耳という部分に綿棒や耳かきを入れて耳垢を取ることです。耳穴の皮膚の表皮細胞は、耳の入り口から約3cm奥の鼓膜付近から非常にゆっくりと耳の外へ向かって移動。
やがて耳の入り口から1cmの浅いところに達すると古くなった皮膚の細胞は剥がれ落ち、ここで耳垢腺という分泌液と混じり合って耳垢となります。
そして耳垢は放っておいても耳の外に排出される仕組みになっています。これで分かるように本来、耳垢は耳穴の入り口から1cmぐらいの深さに存在します。
耳垢にはカサカサした乾性とねっとりした湿性があり、日本人の7~8割は乾性耳垢です。
耳の穴には、快感を生じさせる迷走神経が走っており、毎日耳かきをしている方もいると思います。でも前述のように耳掃除は1か月に1回、それも片耳2分程度、綿棒のような柔らかいもので拭い取るだけで十分です。
この方法に対して耳の奥まで掃除する方などにとっては意外な感じを受けるかもしれません。しかしあまりに耳掃除のし過ぎは耳に悪影響を与えます。
本来であれば、取る必要のない、あるいは取ってはいけない皮膚細胞を削ぎ落としている可能性があります。また間違った耳掃除の仕方は耳の皮膚に傷をつけて「外耳炎」などの病気の原因にもなりかねません。
自分で耳掃除をする時は綿棒を使うのがいいでしょう。耳かきで耳垢を奥に押し込んでしまうこともあります。決して無理はいけません。耳に何らかの病気がある場合や耳穴の形状によっては、
耳の中に大量に耳垢が発生することがあります、その場合は耳掃除で対処せず耳鼻咽喉科を受診して治療を受けてください。