広報誌 南東北

 

薬の効果を安全に、最大限に引き出す

用法用量を守り正しい服用


 医師の指示で病院や調剤薬局から出される飲み薬は、用法や容量を守って飲むことで効果が発揮されます。 カプセルを開けたり錠剤をすりつぶしたり、用量以上飲んだりすると逆効果だったり、危険なこともあります。薬は使い方を守って飲みましょう。
 医師は、診察した患者がどんな病気かを判断、その病気を治すために病状に合った薬を処方します。薬はその患者個人のためのもので、医師の処方通り飲む必要があります。
 例えば ①飲む時間=食前、食後、食間の決められた時間(ただし頓服の場合は症状の発現に応じて飲む) ②用量は=自己判断で量の増減をしない ③期間=余った薬を自己判断で使用しない ④注意=「胃腸障害を起こすことがありますから飲酒は控えてください」「グレープフルーツジュースと一緒に服用しないこと」 などお薬手帳と一緒に受け取る薬の説明書に注意し、必ず指示に従って服用しましょう。
【飲み方】
 幼児や高齢者で、どうしても薬を嫌がる、薬が飲みづらい、という人には飲みやすくする方法があります。
◆オブラートを使う=散剤(粉薬)や顆粒状で飲みにくい薬はオブラートに包み、水に浸して飲んでみましょう。
◆とろみ剤を使う=高齢者の食事介護の際に使われますが、薬の服用時にも応用できます。散剤などは少量の白湯にとろみ剤を混ぜると飲みやすいです。
◆寝たきり高齢者の場合=寝たきりの人の場合でも薬を飲むときは身体を起こして服用させてください。 寝たままの姿勢で薬を飲むと喉に引っかかったりすることがあります。
【薬の副作用と飲み合わせ】
 薬を飲む時、手近にあるお茶やジュースで飲んでしまう人を見かけます。確かに大きなカプセルや錠剤は飲みにくいし、粉薬は味に癖があります。 それでも薬を飲む際は「コップ一杯の水で服用」が基本です。 水以外の飲みもので薬を飲むと薬の効果が低下したり、逆に作用が強く働いてしまったり、とても危険な面があります。実際に次のような組み合わせは危険を伴います。
◆血圧降下薬のカルシウム拮抗薬(アダラートなど)+グレープフルーツジュース=薬の作用が強くなりすぎる。
◆抗凝血薬のワルファリンカリウム製剤(ワーファリンなど)+納豆=薬の働きが弱まり血栓ができてしまうことも。
◆解熱鎮痛薬のアスピリン製剤(バファリンなど)+果物のジュース=胃から出血するといった危険な副作用が起こることがある。
【薬の保管方法】
 薬の保管に意外と無頓着な人もいます。 台所のテーブル上にお菓子や食品と殺虫剤などを一緒の箱に入れてあったり、テレビ脇のマガジンラックに無造作に放り込んであったりします。 反対に常温で保管すべき薬をご丁寧に冷蔵庫に仕舞い込んだりしている人もいます。 保管場所によっては乳幼児が口にすることも考えられます。薬の正しい保管法をご紹介します。
◆ふたのある容器なら容器のふたをしっかり閉めて、高温・多湿を避け、直射日光の当たらないところに置く。
◆「冷所に保管」の指示がある場合のみ冷蔵庫で保管。 普通の錠剤・カプセル剤は、冷蔵庫から出した時に急な温度差で湿気を帯びる恐れがあり、室温で保管するのが基本です。
◆容器はそのまま保管。薬を他の容器に移し替えてしまうと中味や使い片側からなくなることも。誤用を避けるためにも容器の移し替えは止める。
◆小さな子どもの手の届かないところに置く。
◆古くなった薬は捨てる。薬にも消費期限はあります。
 以上の保管方法をしっかり守るようにしましょう。


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