広報誌 南東北

 

認知症の薬について

症状の進行を遅らせる効果 現在発売は4種類

 誰でも年齢とともにもの覚えが悪くなり、人の名前が思い出せなかったりしますが、こうした「もの忘れ」は脳の老化によるものです。 しかし認知症は「老化によるもの忘れ」とは異なり、何かの病気により脳の神経細胞が壊れるために起こる病気です。 症状が進行するとだんだん理解する力や判断する力がなくなって、社会生活や日常生活に支障が出てくるようになります。
 認知症の人は年々増え、高齢者になるほどその割合も高くなります。2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症になると推測されます。 認知症を大きく分けてアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、その他の認知症ですが、およそ半数をアルツハイマー型認知症が占めています。
 現在発売されている認知症の薬は4種類あり、どの薬を使うかは認知症の症状と生活の困難さによって変わってきます。 そのいずれも症状の進行を遅らせる効果が期待できる薬で、疾患そのものを治すものではありません。
 認知症の薬は、使い始めに吐き気や下痢、めまい、頭痛などの副作用が起こりやすいことが分かっています。 そのため少量から開始し、副作用が起こるかどうか確認しながら徐々にのむ量を多くしていきます。最終的にはきちんと効果がでる量を使用します。
 これらの薬は飲んですぐ効果が出るわけではなく、効果が実感しにくい薬です。 効き目がないからと勝手に中止したりすると症状が悪化することもあるので医師の指示に従って、毎日決められた量を服用しましょう。 また認知症の薬には錠剤、粉薬、ゼリー、液体、貼り薬など様々ありますので、飲みづらかったり、使いにくかったりした場合には医師や薬剤師に相談してください。

(参考:エーザイHP 薬剤科 松本和)

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