広報誌 南東北

 

新年のごあいさつ

変革に対応、より高度・良質の医療サービス グループ挙げ「16ゼロ運動」更に強化


総合南東北病院理事長・総長 渡邉一夫
総合東京病院新棟が今春オープン 「南東北こども学園」も今春開設
 明けましておめでとうございます。南東北グループで初めて首都圏に進出した東京クリニックが昨年、10周年を迎えました。 東京クリニックはじめ江古田の森、総合東京病院、新百合ヶ丘総合病院とプロジェクトが目白押しで施設立ち上げには今までにない首都圏特有の苦労もありましたが、それぞれ独り立ちできるようになり質の面でも評価され、 今後の南東北グループの礎を築けたと思っています。
 本部がある福島県は、原発事故から5年10か月が過ぎ落ち着きを取り戻し、様々な対応によって人材もかなり充実、全国展開する本部機能をますます充実させたいと考えます。 南東北グループは青森、宮城、福島、東京(千代田・中野・世田谷区)、神奈川など1都4県をエリアとし、更に大阪府・難波への進出も決定。 職員数約7500人、約90の施設を運営する全国有数の大規模な医療・介護・福祉企業体として広く認知・評価され、陽子線やBNCT、その他の放射線治療・診断でも世界トップクラスの施設として評価されてきており誇りに思います。
 さて近年、法令遵守や内部統制の問題が取りざたされますが、昨年は東京都の築地市場豊洲移転問題で延期の理由などがクローズアップされました。 三菱自動車の燃料偽装問題は、偽装が当たり前のように行われる日本企業の組織体質が顕著化、日本の物づくりへの危機感を覚えました。
 日本の経済状況では、ゼロ金利政策が継続され、消費税増税が2019年10月まで延期が決まりました。 日本景気が上向かないための苦渋の対応策と感じます。財政状況と社会保障費の膨張抑制を目指す国は、社会保障費のかなりの部分を占める医療・介護費用の削減を絶対的な命題として掲げています。 平成29年度の医療費では高齢化に伴う増加額が6400億円と試算されたのに5000億円に圧縮されました。それだけに同30年度の医療・介護の同時改定では更に医療・介報酬の削減・減額が行われるものと覚悟せざるを得ません。
 国は、急性期の患者さんは一極集中型の超急性期病院で集中的に治療、その後は費用がかからないように施設や在宅で診るという流れを作っています。 こうしたことから国の方針を先読み、政策が法令化されたら直ぐに施設整備などに取り組めるよう常にアンテナを高く掲げておく必要があります。
 こうした国の政策に対し従来通りのことをしていただけではダメです。付加するサービスの提供で患者・利用者さんにより満足してもらい、我々のサービスを選んでもらうことによって高稼働の維持を実現、改善を要する場合は即時に対応できる組織が必要です。 変革に対応できなければ淘汰されてしまいます。
 全社的な取り組みとして引き続き「16ゼロ作戦」を実施します。4年目ですが、今年は成果も検証し評価に取り入れる考えです。 内容は保険診療・コンプライアンス違反や感染・食中毒、苦情、救急受け入れ拒否、虐待、褥そう、離職、個人情報漏えい・紛失―などのゼロ16項目です。
 南東北グループの現況と今後の取り組みを紹介します。
 ①開設4年10か月の新百合ヶ丘総合病院(377床)は医師140人、職員1000人に。外来が1日1000人超の日も多い。入院稼働率も90%超で黒字が定着化。増床が認可され平成32年度から563床になる
 ②総合東京病院は250床から451床への増床が認可され、現在新棟建設中。昨年夏に一期工事が完成し312床となり、今年4月に二期工事が完成する。三期工事も検討中で最終的に500床を目指す
 ③28年1月からBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)研究センターで脳腫瘍と頭頸部がんの第II相治験を実施中。順調に進んでおり早期に医療機器としての製品化を実現したい
 ④総合南東北福祉センター八山田東に建設中の「南東北こども学園」は4月にオープンする。子どもと障がい者と高齢者が一体的に過ごせる複合施設
 ⑤福島市に東北初の看護小規模多機能型居宅介護施設「結の学校」が28年4月開設。順調
 ⑥創薬開発施設として創薬・サイクロトロン研究所を開設する計画
 ⑦世田谷区の梅ヶ丘駅近くに老健と障がい者及び回復期リハビリ病院を合築する施設で平成31年春開設の予定⑧南海電鉄のなんば駅直結の駅ビル9階に大阪拠点のクリニックを開設する予定―が現況。
 2017年のスローガンは
①南東北グループ各施設の組織力強化とより具体的なグループの一体経営推進
②人材能力の開発と優秀な人材の抜擢
③人材確保のノウハウ共有と協働
④事務合理化の徹底した追及
⑤財務の安定と内部統制の強化―です。
今年も南東北グループの理念「すべては患者・利用者さんのために」をモットーに使命感に燃え、奉仕の精神を尽くし、大きな目標に向って昨年以上に頑張ります。今年もよろしくお願いします。


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