広報誌 南東北

 

仮面高血圧

 〝サイレントキラー〟と呼ばれる高血圧の中で「仮面高血圧」が注目されています。昼、病院で血圧を測ると正常なのに家庭では高血圧という例です。 これに対し降圧薬も飲まず普通、正常血圧の人が病院や診療所、検診などで医師・看護師の血圧測定を受けると高血圧を示すのが「白衣高血圧」。診察室で平均が140~90以上で、家庭・昼間血圧平均が135~85未満、24時間平均が130~80未満の人。 長期的には心血管疾患を発症しにくいと考えられます。
 仮面高血圧が注目されるのは、仮面高血圧の人の方が持続性高血圧(一般的な高血圧)の人より脳心血管疾患が早く進行するからです。米国の研究では、そのリスクは正常血圧の人を1とすると2.94倍、仮面高血圧は3.86にもなったという報告があります。
 しかもリスクを高める仮面高血圧は1つではなく、早朝高血圧(早朝の最低血圧が就寝直前より高い)、夜間高血圧(睡眠中も血圧が下がらない)、ストレス高血圧(仕事中ずっと血圧が高い。職場高血圧ともいう)もあります。 一般的な高血圧で、夜間低く早朝に急上昇する〝モーニングサージ〟を伴うと脳卒中のリスクが更に高まります。降圧薬の効果が切れたり、糖尿病で神経障害合併の人、心不全や腎不全の人などは夜間高血圧になりやすく要注意です。
 仮面高血圧を発見するには毎日家庭で血圧測定しましょう。朝は起床後1時間以内、トイレを済ませ、朝食・服薬前。夜は就寝直前です。1週間の平均値が最高135以上、最低が85以上の場合は医療機関の受診をお勧めします。

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