不測の事態  救急マニュアル
 
耳のトラブル
聞こえにくい
 老化現象による難聴でなければ、耳の中に原因があると考えられます。まず、耳あかがたまっていないか確認しましょう。固まってしまっていたら、「耳あか水」という薬を入れてやわらかくしてから綿棒で除去します。また、「滲出性中耳炎」のときも聞こえにくくなります。この場合は、耳だれや熱、痛みなどの症状があり、放置すると難聴の原因になります。
耳鳴りがする
 老化による難聴の他に高血圧症、動脈硬化症、貧血、心臓病、腎臓病など、血液循環を悪くする病気を持つ人に起こりやすい症状です。
 耳鳴りに難聴やめまいを伴う時は、メニエール病や突発性難聴などの疑いがあるので、すぐに受診しましょう。
 
目のトラブル
徐々に視野が狭くなってきた
 緑内障の可能性があります。眼圧が上がるために視神経が侵され、だんだん視野が狭くなってきます。この病気はそれほど多くはありませんが、放置すると失明してしまうこともあるので、早期治療が大切です。
突然見えなくなった
 眼底出血を起こしていると考えられます。原因はいろいろありますが、お年寄りの場合は、目の静脈が狭くなったりつまったりして出血する「網膜中心静脈閉塞症」が多く見られます。そもそもの原因は動脈硬化なので、高血圧の人は要注意。また、糖尿病のために網膜の血管が障害を起こして突然見えなくなることもあります。どちらも、原因となっている病気を改善することが治療の原則ですが、とくに糖尿病のある人は、定期的に眼底検査をしましょう。
徐々にかすんで見えにくくなった
 白内障の可能性があります。
 この病気は目のレンズの役割をしている水晶体が濁ってくるというもので、一種の老化現象です。しかし、放置しておくと光の明るさだけしかわからなくなってしまうので、軽いうちに治療する必要があります。薬物療法は進行を遅らせる効果はありますが治ることはないので、手術をすることになります。
 
老眼と難聴でも、生活に不自由がないように対処を
 耳も目も加齢に伴う老化を免れません。ただし老眼と難聴には個人差があり、進行度は人によって異なります。どちらも老化現象なので予防することも治療することもできません。ただし、難聴の場合は補聴器を使う、老眼の場合は、正しく調整された老眼鏡を使い、できるだけ進行させないようにするなど、生活に不自由することのないように対処しましょう。
 お年寄りが聞こえにくい、見えにくいと訴えた場合、ほとんどが老化によるものですが、トラブルが潜んでいることもあるので、症状の現れ方に注意しましょう。

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