くらしの豆知識
「世代別『好ましい食生活』とは」
 
☆世代を越えて「食の文法」を大切に
 食べたいものがいつでも手に入る便利な時代。あまりにも豊かな消費社会の中で、食事のバランスを崩す人もいます。そんな現代こそ「食の文法」を見直したいものです。
 日本の食事は栄養のバランスがよい点で国際的にも高く評価されています。言葉に主語と述語があるように、日本の「食の文法」は、主食と副食の組み合わせが基本です。副食はさらに主菜と副菜で構成されます。主食(ご飯)と主菜(魚や肉中心のおかず)、副菜(野菜中心のおかず)に、汁もの(豆製品や野菜・芋・海藻類をたっぷり入れて)が加わって、1回の食事としてバランスがとれる、いわゆる主食に「一汁二菜」の、誰にでも分かりやすい食べ方です。
 世代を越えて「食の基本」といえます。

☆「早寝、早起き、朝食べる」習慣を
 子どもの肥満や生活習慣病が増えています。生活が夜型化することで朝の欠食も増えています。高カロリーのスナック菓子や飲料を取りすぎないように気をつけ、野菜や果物など多様な食材を活用し、調理方法が揚げ物などに偏らないようにしましょう。「早寝、早起き、朝食べる」習慣と「食の基本」を、しっかり子ども時代に身につけることが大切です。

☆10代は「副菜」を意識する
 高校生になるとコンビニ食で済ませたり、朝食べない人も増え、食事が不規則になりがちです。野菜・芋・豆類の取り方が少なく、肉類・油脂が多めで、全般にビタミン・ミネラル等の微量栄養素や食物繊維が不足気味です。
 「からだがだるい」等の症状を訴える人も増え、特に女子ではダイエットの影響もあって貧血気味の人も多く、「立ちくらみ」「疲れやすい」「肩が凝る」等の訴えも目立ちます。成長期の継続的な栄養不足は、骨粗鬆症などの原因にもなります。朝昼夕の3食をしっかり食べ、特に「副菜」を意識して取りましょう。

☆20代は朝食べる習慣を守る
 一人暮らしの人も多く、朝の欠食が目立つ年代です。外食が多くなり単品もので済ませがちなため、10代と同様、野菜・芋・豆類が少なく、肉類・油脂の摂取が多くなり、ビタミン・ミネラル等の微量栄養素は全般に不足気味となります。一方、やせすぎの女性が4人に1人とダイエット志向が強く、ご飯など穀類の摂取が極端に少なく脂質に偏った食事も目立ちます。自分の体形を適切に評価し、「食の基本」と「適正な食事量」を知ることが必要です。

☆中高年は節度ある食と適度な運動を
 男女とも外食の機会が多く、特に男性では昼夜外食という人が少なくありません。外食が多いと肉料理など油っぽいものが増え、野菜・芋・豆類が取りにくく、微量栄養素が不足しがちです。カロリー過多と運動不足で30〜60代男性の3人に1人が肥満と、20年前の実に1・5倍に増えています。肥満は糖尿病や高脂血症等の生活習慣病の引きがねとなるもので、重症化すると大変厄介です。高カロリーの料理を避け、野菜類をしっかり取り、夕食偏重にならないよう気をつけ、意識的にからだを動かしましょう。

国民生活センター「くらしの豆知識2006」より
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