くらしの事故注意報
高齢者のための安全対策
〜家庭内で起こる事故〜
 安全と思われがちな家庭内ですが、高齢者にとっては危険がたくさん潜んでいます。
 事故にあい打撲や骨折など大きなけがをして、そのうち約45%の人が入院しています。事故の原因はわずかな段差や階段など住宅設備であったり脚立や布団、ガステーブルなどほとんどが毎日利用しているものです。これらの持つ危険性をみていきましょう。
階段での事故
 「階段が急勾配で、足を踏み外した」など階段の勾配や照明の有無など、住宅設備が原因の事故や、「ズボンのすそを踏んで転落した」「階段に置いてあったチラシ広告で滑った」など足元の状況が悪いために滑ったり、つまずいた事故があります。
 そのほか、大きいものや重いものを運んでいでバランスを崩し転落するなど、様々な原因により事故が起きています。けがの程度が重い事例もあり、骨折などの場合、治療期間が長引きます。特に高齢になるほど、けがの程度が重くなる傾向がありますので注意が必要です。
高いところから転落する事故
 階段での事故のほかに転倒・転落がきっかけで重症を負うケースとしては「いすや踏み台などから足を踏み外した」「ベッドから転落した」「ベランダや屋根、ハシゴなど高いところから転落した」などバランスを崩して転落する事例が多く見られます。
滑ったりつまずいて転倒する事故
 「風呂場で転倒して手をつき、骨折した」「浴槽に誤って転落し、熱傷を負った」など、滑りやすい場所での転倒事故や、「掃除機のコードにつまずいた」「段差につまずいて転倒した」など、障害物による転倒事故も発生しています。
その他にもこんな事故が起きています
◆玄関でバランスを崩し転倒
 外出するのに急いでいて、片方の足で靴の向きを変えようと片足立ちしたときバランスを崩して
 転倒した。
◆ドアのノブにぶつかり肋骨を骨折
 わずかな段差でつまずき、よろけてトイレのドアノブに胸をぶつけた。
◆ガステーブルのグリル扉でやけど
 魚を焼いているのを忘れ台所を離れた。焦げていることに気づき慌ててグリルから魚を取り
 出そうとしてやけどした。
◆電気ストーブでやけど
 電気ストーブにあたっていて、化繊のスカートが熱で溶けていることに気づかず足を
 やけどした。
車いすの事故
 車いすでの事故のきっかけは、「転倒」や「転落」が多くを占め、中には骨折などの大きなけがになるケースもありました。

◆車いすから立ち上がったりベッドに移ったりするときなどにバランスを崩して起こる事故
◆段差や溝での事故
◆駐車ブレーキのかけ忘れや意図しない解除による事故
電動四輪車による交通事故
 歩くことに困難を感じている人の「足」代わりとなる電動四輪車は電動車いすの一種です。運転免許なしで歩道を運転できるため、操作が簡単・手軽という印象を受けますが、普及とともに事故が増加しており、この10年で約3倍に増加し、70歳以上の高齢者が7割を占めています。
◆操作を誤り、道路脇の用水路に転落
◆ベビーカーと衝突し、赤ちゃんを負傷させた
 交通法では、電動四輪車は歩行者とみなされます。
@歩道を走行する
A歩道のない道路は右側を走行する
B横断歩道では歩行者用信号に従う
などです。
 利用する道路の状況や人通り、立て看板などの障害物の状況もよく考えて、安全運転を心がけましょう。
転倒・転落による事故にあわないために
◆整理整頓をする
◆安全に配慮した工夫をする
◆階段での昇降や踏み台、ハシゴなどの利用時は注意する
住まいの改善点
◆玄開
扉は開閉しやすいものに
床は滑りにくい材質
足元も明るく
手すりの設置
式台やいすを置く
◆台所
電磁・電気など安全な調理器具
操作性の良いレバー式の混合水栓
マットなどは敷かない
足元に物を置かない
整理整頓を心掛ける
◆階段
手すりの設置
足元も明るく
段差は目立つようにして滑り止めをつける
スリッパなどは履かない
◆居間
充分な明るさ
安全な暖房器具
足元に物を置かない
整理整頓を心掛ける
◆トイレ
開閉しやすい扉
手すりの設置
緊急用ブザーの設置
便器は洋式型に
暖房機の設置
◆浴室
手すりの設置
浴槽はまたぎやすく底はすべらない工夫をする
すのこは隙間なく敷き詰める
出入口は間口を広く段差を無くし中折り戸などにするとよい

 
 
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