くらしの豆知識
災害を生き抜くために

◆地震の活動期に入った日本
 21世紀は自然災害の世紀といわれ、大地震・風水害などが多発しています。もともと日本は有感地震が年間に1000回近くも発生する地震国ですが、今後30〜50年のうちに阪神淡路大震災や新潟中越地震と同様のマグニチュード7〜8クラスの地震がいくつも起こるといわれています。
 防災対策はまさに命を左右することであり、面倒に思うかもしれませんが、この時代を生きる私たちに降りかかる問題として、しっかりと対策をしなくてはなりません。
◆防災対策の優先順位を考える
 防災対策としてまず頭に浮かぶのは、非常持ち出し品ではないでしょうか。ですが、それらを備えていても直接命を守ることはできません。まずは住居の安全として建物の耐震強度、室内の落下転倒物の固定、避難路の確保が優先です。次に家族や友人など大切な人との安否確認方法を考えます。例えば、電話会社では災害が発生し、電話回線がパンク状態になると、安否情報などを残しておくことができる災害用伝言ダイヤル「171」のサービスを案施します。災害時は一般電話だけでなく、携帯電話も使用が困難になることは十分に予測されます。「忘れてイナイ(171)?」と覚えておくとよいでしょう。生き埋めや閉じ込められたといった、万一の場合を考え、一人暮らしの人は、近くに住む親しい人に来てもらえるように、頼んでおきましよう。
◆必要なものは身近なところに
 災害はいつどこで起こるか分かりません。住居に非常時に役立つものを備えることも大切ですが、職場や通勤途中で災害が起こることも考え、ペンライト、笛、ポケットサイズのラジオ、簡易食料(飴、チョコレート、栄養補助食品)や飲み物(栄養補給できるゼリー飲料など)、大判のハンカチ(包帯や三角巾代わり)、携帯電話の予備のバッテリーなどをバッグの中に備えておくと万一のときに役立ちます。
 
◆災害をイメージして生きる力をつける
 日頃から身を守るためのトレーニングとして、初めて訪れる場所において「今ここで地震が起きたら」どのような行動をすべきか考える習慣をつけましょう。ガラス、タイル、照明器具、展示品など飛来落下物の有無、非常口の位置などの確認が有事には生死を分けます。
 デパート、映画館、アミューズメント施設など人が多く集まる場所は特に危険が増すので、災害時のイメージトレーニングは重要です。
 実際に災害にあったときにはバッグや雑誌で頭を守るなど機転を利かせて身近にあるものでけがを防ぎましょう。携帯電話は通信手段以外にも停電時に画面から発する光を利用して懐中電灯代わりに、生き埋めになったら着信音を笛代わりに、カメラ画像は救援を待つ間の心の支えにすることもできます。
 災害を生き抜くための知識を得るために、各地にある防災センターに足を運んでみましょう。
国民生活センター「くらしの豆知識2007」より
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