何とかしたい、足のムズムズ…
水虫対策委員会
 梅雨どきから夏にかけて足の裏や指の間がかゆくなったりじくじく…。水虫の時期になったなあと憂うつになってしまうあなた。
 「水虫は一度かかったら治らない」と諦めていませんか?
 ところが水虫は、薬で治すことができるのです。ただそれには、少しばかりの根気と、日常生活での注意が必要ですが…。
 水虫の症状が現れるしくみから、症状別の対処の仕方、薬の正しい使い方まで、“水虫退治”のポイントをみていきましょう。
水虫ってなに?
 一般的に足がかゆい、皮膚がただれるなど足に起こる不快症状を総称して「水虫」と呼んでいるが、医学的には「虫」ではなく「白癬菌(はくせんきん)」と呼ばれるカビが水虫の正体です。正しく治療すれば、数カ月で完治するケースがほとんどですが、菌を完全に殺してしまう前に治療をやめると、翌年も悩まされることになります。
 また、体質や生活習慣に問題があると、繰り返し感染してしまいます。
水虫の種類
〜水虫のタイプと症状〜
■足の指の間にできるもの[趾間(しかん)型]
 足の指の間の皮が、湿って白くふやけたようになり、乾くと皮がむけます。かゆみは比較的少ないタイプです。また、ときには、赤くなってただれたりします。
■足の裏にできるもの[小水疱(しょうすいほう)型]
 土踏まずや足の外側のへりに、小さな赤い水ぶくれができ、激しいかゆみをともないます。水ぶくれは、破れると液が出ますが、やがて白くカサカサに乾き、皮膚がボロボロとむけてきます。
■足の裏全体がかたくなったもの[角化(かくか)型]
 かかとなど角質層が厚い所に、白癬菌が奥深く入り込んで皮膚がかたくなり、やがて足の裏全体に広がっていくタイプです。かゆみはありませんが、冬、乾燥すると、ひび割れが起こり、痛みが出ます。
■爪に白癬菌が入ったもの[爪白癬(つめはくせん)]
 爪も皮膚の一部なので水虫になります。−般的には直接爪の水虫になることはなく、足の水虫が爪に感染して起こります。かゆみはなく、爪が白くにごり、厚くなります。放っておくと爪がもろくなり、ボロボロになります。また、症状がすべての爪に及ぶこともあります。
■手にできるもの[手白癬(てはくせん)]
 手は直接外気に触れているうえ、洗う機会も多いので、足よりはずっとまれですが、水虫にかかります。症状は足の場合と同じで、小水疱ができることもあれば、手のひらが角化することもあり、爪まで感染することもあります。
こんな人はご用心!
@1日中、靴を履いている
 革靴やパンプス、長靴やブーツといった、通気性が悪く足がむれやすい靴を履く人、特に調理場やクリーニング工場のように高温多湿な環境で働く人や、汗をかきやすい人は、注意が必要です。
A足の指の間隔が狭い
 足の指の間隔が狭いと、裸足になったときでも、指と指のすき間が外気に触れにくいため、白癬菌が繁殖しやすくなります。
Bプールや銭湯によく行く
 水虫は、菌の感染によって起こる病気です。脱衣場の床や、足を拭くマットなどを通してうつる恐れがあります。
C室内でペットを飼っている
 白癬菌のなかには、人と動物のどちらにも寄生する種類があり、特に、猫からうつされたケースが数多く報告されています。
白癬菌の住みか
 皮膚のいちばん外側にある角質層に白癬菌は住みつき、ケラチンというたんぱく質を食べて繁殖します。また、温かく湿った環境を好み、特に温度26℃前後、湿度70%以上のとき、最も活発になるといわれます。そのため水虫の症状は、春から夏にかけて悪化し、冬になるとおさまるという周期を繰り返すのが一般的でしたが、近頃では、暖房設備の充実により、季節を問わず水虫に悩まされる人が増えています。
 さらに困ったことに白癬菌はケラチンがあって、高温多湿な場所ならどこにでも寄生するので、足の裏だけに住みつくのではないのです。
水虫と間違えやすい皮膚の病気
 1カ月薬を塗っても、症状が改善しない…。
 そんな場合は、水虫とよく似ているけれど全く違う皮膚の病気にかかっていることも考えられます。水虫ではないのに、水虫の薬を塗っていると、かえって症状を悪化させてしまうことも多いのです。こんなときは、専門医の診察を受けるか、薬剤師に相談してください。
■かぶれ(接触皮膚炎)
 洗剤や殺虫剤などの化学物質や植物などが原因で起こります。かゆみのほか、皮膚が赤くなったり、水ぶくれができたりするなど、水虫とそっくりな症状が現れます。
■細菌感染
 湿った不潔な環境を好むのは、なにも白癬菌だけではありません。たとえば夏、足が蒸れ、ふやけているときなどは、様々な細菌が繁殖しやすくなっています。
■掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
 土踏まずや手のひらに、小さな水ぶくれや膿疱(のうほう)ができます。かゆみはありませんが、現れる場所と見ための症状が似ているため、よく水虫と間違われます。
■汗疱(かんぽう)
 足の裏や手のひらの皮膚が細かく薄くむけ、ときには小さな水ぶくれができます。赤くなることは少なく、かゆみもありません。手足に汗をかきやすい人や、足の裏や手のひらがいつも湿った人がなりやすいようです。

 
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