くらしの豆知識
自動車のドアに挟む事故

 危害情報収集協力病院から自動車に関連する事故情報(交通事故は含まない)は、毎年500〜600件ほど寄せられています。特に多いのが、車のドアに挟む事故で、半数近くを占めています。ケガの多くは軽症ですが、中には症状の重いもの、治療期間が長引くもの、後遺症があるものなども見受けられます。
 
◆重い症状の事例
車から降りるとき、ドアを自分で閉めて手を挟んだ。左第1指基節骨骨折
(6歳、女児)
車のドアで左第2指を挟み挫傷。消毒後ギプスをはめる。
1カ月ぐらい固定しておくように言われた。左第2指末節骨亀裂骨折
(30歳代 男性)
左手を車のドアで挟み、左第4指末節骨骨折
(60歳代 男性)

◆他の人がドアを閉めた事例
親が子供を抱いたまま、車の後部ドアを閉めた際、前のドアとの間に子供が手を出しているのに気づかなかった。前と後のドアの間に左親指が挟まり、捻挫した
(0歳 女児)
ドアを閉めたらベビーカーに乗せていた子の足のかかとを挟んだ
(0歳 女児)
車のドアが開いた状態で、ドアの蝶番(ちょうつがい)の辺りをつかんできた子供に気づかず、ドアを閉めたが、左手を挟んで打撲を負った
(1歳 男児)

◆自然にドアが閉まった事例
自動車のドアが自然に閉まり、左指を挟み打撲した
(9歳 男児)
車から出る途中、風でドアが閉まり左足を挟んだ
(20歳代 女性)

◆スライドドアに挟んだ事例
スライド式の車のドアを閉めようとしたとき、子供の手に気づいたが、止める間もなく指を挟んでしまった
(2歳 男児)
ワンボックスカーの後部スライドドアを急勾配の坂道で開けて作業中に、急にドアが閉まり親指を挟んで打撲した。ドアが重いため、かなりの力で挟まった
(30歳 男性)
 
◆けがをしないためには
 子供の事故が目立ちますが、これは保護者の不注意によって起こることが多いようです。特に小さい子供を自動車に乗せてドアを閉めるときは子供が手や足などをドア部分に出していないかの確認が大切です。
 また、風の力や坂道などで予期できずにドアが閉まる事故でケガをしているケースも見受けられます。強風や坂道などでドアに力がかかる状態で無理してドアの開閉を行わないよう注意しましょう。
 ドアの事故では、手・指に怪我を負うケースが圧倒的に多く、その程度は「打撲傷・挫傷」ですが、中には「切断」も含まれます。
 万一、けがをした場合、出血しているなら患部をハンカチで軽く押さえるなど止血をし、内出血を起こしている場合は冷やします。
国民生活センター「くらしの豆知識2007」より
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