肝臓の働きを良くして
体調を整える
 肝臓は、体の他の部分とは異なり、痛みなどの症状があらわれにくいので、「沈黙の臓器」といわれています。  
 健康診断を受けて、はじめて「肝機能の低下」を指摘される場合も多く、初期の段階ではなかなか自覚症状があらわれず、いよいよ悪くなってから黄疸や体のだるさ、食欲不振などの症状があらわれます。しかし、このような症状が出ると相当悪くなっている可能性が大きく、定期的な健康診断で早期に発見することがとても重要といえます。
 
 肝機能の異常を調べる主な血液検査と正常値
GOT(AST)
GPT(ALT)
GOT(AST) 10〜40IU/l
GPT(ALT) 5〜40IU/l
GOTとGPTは肝臓でアミノ酸がつくりかえられる時に働く酵素。肝機能が低下すると壊れた肝細胞から血液中に漏れ出す。 この値が高い場合は、肝炎や肝機能障害が疑われる。
γ−GTP 55IU/l以下(JSCC法)
お酒を飲む人は、飲まない人に比べて、平均20IU/l高いと考えて下さい。
γ−GTPは、肝臓、牌臓、膵臓などに含まれる酵素。この値はアルコールと相関関係があるので、アルコール性肝障害の早期発見にはこの検査が必要です。この値が80IU/l以上になるとアルコール性肝障害や閉塞性黄疸の疑いが強くなります。
血清総ビリルビン 0.2〜1.2mg/dl この値は、1.5mg/dl以上が異常値で、2〜2.5mg/dl以上になると、はっきりと黄疸があらわれます。また、胆道のガン、胆石などでもこの数値が高くなります。
アルカリホスファ ターゼ(ALP) 3〜10KA単位
(キンド・キンブ法)
58〜200IU/l(P−NP法)
(女性は男性よりやや低値)
ALPを測定すると、肝機能の異常や胆汁の流出経路に閉塞や狭窄などの異常があるかどうかを知ることができる。また、骨の病気でも高値になることがある。
 
 
 
 お酒を飲まなわから肝臓は大丈夫・・・これは間違い! 
 肝臓病の原因はアルコールだけではありません。約7割がウイルス感染が関係しているのです。B型肝炎の感染経路は、血液、母子間感染、性交などで感染力が非常に強いのが特徴で、母子間の感染でない限り、慢性化することもなく、肝臓ガンになりにくいのですが、C型肝炎は輸血や血液製剤による感染が大半を占めています。C型肝炎に感染す ると、その6割がC型慢性肝炎になり、慢性肝炎から約半数の人が肝硬変になるといわれています。肝硬変を起こしたあと、さらにその半数が肝臓ガンになる恐ろしい病気です。 
  
 肝臓をいたわり、肝機能を高める生活
基 本
(1)十分な睡眠をとる
(2)ストレスをためこまない
(3)栄養バランスの良い食事
(4)運動不足にならない
 
 
 肝臓を強化するための食事 
(1)高タンパクで適正カロリー
(2)油脂や糖分が適量である
(3)高ビタミンである

以上の3つの条件を満たした食事は肝臓の働きを支え、機能を高めます。
 
 肝臓を強化するための食事 
肝臓を強化をしてくれるビタミンを多く含む食品
ビタミンA うなぎ、レバー、卵黄、バター、マーガリン
カロチン ピーマン、人参、小松菜、ほうれん草
ビタミンB12 にしんなどの魚介類、カキ、レバー、チーズ、卵
ビタミンB1 豚肉、レバー、玄米、胚芽米、ごま、ピーナッツ
ビタミンC ブロッコリー、パセリ、いちご、レモン、キウイ
ビタミンE うなぎ、まぐろ、さんま、あじ、さばなどの魚、大豆、ごま
 
  
 肝機能を強化する野菜 
もやしは古くから、肝機能を高め、血液の循環をよくする効果があると知られています。もやしは良質の植物性タンパク質が多く含まれ、これはお酒を飲んで弱った肝臓を回復させ、肝臓病の予防と治療に有効です。その上、ビタミンB1、B2などのビタミンB群がバランスよく含まれており、肝機能を正常化させます。ビタミンCもたっぷり含まれ、ミネラル類も豊富です。
キャベツは、健胃作用があることで有名ですが、実は肝臓の働きを高める効果もあるのです。キャベツにはビタミン∪という栄養素が含まれていますが、ビタミン∪は肝臓に入ると肝臓内の余分な脂肪を代謝し、肝機能を高めてくれます。  
 また、グルコシノレートという物質が肝臓の解毒作用を高めます。できれば酢漬けにして食べるのが望ましく、肝臓に効く栄養素を壊すことなくとり入れられます。
 香味野菜でおなじみのしそは、ビタミンA、カロチンが豊富ですが、フラボノイドの一種である「ルテオリン」という有効成分が含まれています。肝障害を防ぎ、進行を抑える効果があるといわれています。
 ごまには1%ほど含まれているセサミンという成分が含まれており、セサミンは肝臓の機能を高め、肝臓を保護する働きがあります。肝臓の活性酸素を除去する働きがあることも最近の研究でわかってきました。ごまの成分のセサミンとビタミンEを一緒にとると、セサミンが肝臓の活性酸素を除去してビタミンEを守り、そのためビタミンEがつぶされることなく血液中に届き、効力を発揮します。  
 ですから、生活習慣病の予防やアルコール代謝促進による肝機能の正常化が期待できるのです。
 
 
    
 
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