関節リウマチは、非常に複雑な病気で、決定的な原因ははっきりしていませんが、全身の炎症性の病気で、特に複数の関節に起こる関節炎を主症状とします。関節の痛みや腫れが左右対称に出てきて進行すると関節の変形が起こり、最終的には関節が固まり、動かなくなってくるので油断ができません。
関節リウマチは、かかりやすい体質や素因があって、それにウイルス・ストレス・性ホルモン・化学物質や妊娠出産・寒冷などの環境因子が複雑に絡み合って起こると考えられています。
関節痛には、関節炎によるものと、関節破壊によるものとがあります。関節炎によるものは、重くうずく ような痛みで安静時でも生じます。関節破壊によるものでは、関節に重みをかけたり、動かしたときに痛 みが発生します。関節炎に伴って、腫れも必ずあらわれる症状です。
普通、手指の関節では紡錘型に腫れ、膝関節では膝がしらのところが腫れます。患者さんによって症状の現れ方も程度も違い、長年にわたって現れたり、一時的に消えたりを繰り返して慢性的に持続します。
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【症状】 |
朝起きた時に手や手指の関節がこわばって動きにくくなります。圧倒的に多く侵される関節は手指の第2・3関節と手関節で、特徴的なものです。全身性の疾患なので、倦怠感・脱力感・微熱・全身の痛みなどの全身症状を伴う場合もあります。
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病気が進行すると、関節の痛みや関節面が破壊され、癒着したり、あるいは変形して、関節の機能の障害になります。最初は痛みのために筋肉が緊張して関節が動かせなくなり、次第に関節の破壊が進行したり、筋力が弱くなって運動しづらくなります。そして膝・肘・手の関節などは曲がって、固定した状態が残ってしまいます。これを屈曲拘縮と呼びます。さらに進行すると関節の破壊や筋萎縮に加えて、腱や靭帯が弛緩したり、位置が変わったり、切れてしまったりします。このようなことが重なって関節の変形や亜脱臼が生じます。
関節の変形で関節機能が侵され、ひどくなると寝たきりになることもあります。 |
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【全身症状】 |
倦怠感や疲労感で−般に元気がなく、血色の悪い患者さんが多く、患者さんの約20%〜30%にリウマチ結節と呼ばれる米粒大からクルミ大の皮下のしこりがあらわれることがあります。また、患者さんの約30%に手のひらの毛紬血管の充血によってできる赤い斑点がでます。これを手掌紅斑といいます。そのほか、胸膜炎・心筋炎・消化管出血・腎障害などを併発することもあります。 |
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関節リウマチは早期に診断・治療することが大切です。薬物療法と基礎療法でスタートします。症状によってはリハビリテーショ ンや手術療法が検討されます。この病気と長く付き合っていくための色々な知識を持つことを踏まえ、ストレスの少ない状態で適度な安静と適度な運動を維持し、関節を保護する日常生活に留意します。これらは薬物療法の治療効果を上げるためにも必要となります。
リウマチ療法は、格段に進歩しているので、早期発見・早期治療に努めてください。 |
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治療と並行して日常生活の過ごし方が病状の緩和と進行の抑制に大きく影響します。 |
▼関節に負担をかけずに関節を守るための体操
▼関節が冷えないように保温する
▼関節に負担を与えないように体重管理
▼ストレスをためこまない生活
▼栄養バランスを整える |
病気に神経質にならず、ゆとりをもった生活ができるように心がけましょう。 |
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