便秘や下痢といった腸の症状はとても不快なものです。特に便秘のときに顕著にあらわれますが、腸の健康が乱れ、排便がスムーズに行かないと全身にわたる不快感の元になる上、痔や大腸がんなどの原因となることもあります。あなたの腸は元気ですか?
 

慢性的な便秘になると
 便秘が続くと、新陳代謝が悪くなったり、腸内で増えた悪玉菌から大量に発生したガスが吸収されてしまい、血液を通して体内を循環します。そのため肌荒れ、吹き出物、顔色が悪いなどが起こるわけです。口臭がきつくなることもあります。
 腸内にガスがたまると背中や腰などを圧迫するために痛みを生じることがあります。肩こりを訴える人も少なくありません
 
薬に頼る前に自然に排便する習慣をつけましょう
 (1)〜(5)を実践していれば一番便意の起こりやすい朝食後にちゃんと排便できるようになります。  朝忙しく、余裕がない人は、せっかくの便意を逃してしまい便秘を起こしてしまいます。時間に余裕を持ち、朝食後の便意を逃さないようにしましょう。

きちんと食べればちゃんとウンチが出ます!

(1)栄養のバランスがとれているか

(2)朝・昼・夕 三食きちんと規則正しく食べているか

(3)食物繊維の多い食品をとっているか

(4)水分が不足していないか

(5)適度に運動し、体を動かしているか

 朝忙しく、余裕がない人は、せっかくの便意を逃してしまい便秘を起こしてしまいます。時間に余裕を持ち、朝食後の便意を逃さないようにしましょう。
 
 
急性の下痢と慢性の下痢
 急性の下痢は一時的な症状で、風邪をひくなどの感染症にかかったときや、暴飲暴食、寝冷え、食品アレルギーなどによるものです。原因が比較的はっきりしているので、たいていは腸内の刺激物が排除されれば治まってきますが、慢性の下痢の原因は半数がストレスが引き起こす過敏性腸症候群という病気で、そのほか、がん、ポリープ、クローン病、吸収不良性症候群、糖尿病、肝臓病などの病気で起こっていることも考えられます。
 下痢が続く時は、できるだけ早く医師の診断をうけることが大切です。
 
過敏性腸症候群
 精神的なストレスなどによって、腸管の運動亢進や分泌亢進がおこり、下痢や便秘などの便通異常と腹痛が慢性的に生じる症候群です。男性では下痢型、女性では便秘型が目立ちます。
 暴飲暴食を避け、規則正しい生活をし、過労にならないようにすることが大切です。また症状を悪化させるような食品(アルコール・香辛料など)の摂取を控え、便秘型の人は食物繊維の多いものを積極的にとり、下痢型の人は、冷たい飲み物や油っこい食品は控えます。
 
腸のために摂取したいもの
 【りんご】
 りんごにはペクチンという水溶性の食物繊維が豊富に含まれています。腸内の善玉菌を増やし、整腸作用があります。できればすりおろして食べると消化吸収がよくなり胃や弱った腸に負担をかけません。
 【海藻類】
 わかめなどの海藻類には食物繊維がたっぷりと含まれ、不溶性のセルロースと水溶性のアルギン酸とフコイダンなどで、水にとけにくいセルロースは消化されないまま腸の中で水に含んで膨張し、便の量を増やして、腸の蠕(ぜん)動運動を活発にしてくれます。水溶性のアルギン酸とフコイダンは水にとけこみ便をやわらかくする働きがあります。
 【乳酸菌】
 ヨーグルトや乳酸菌飲料などに含まれる乳酸菌は善玉菌の一種で腸管内の正常細菌叢に作用して、腸内環境を整えます。腸内に百兆個ともいわれる細菌のうち約20%はどを占めており、ビフィズス菌やアシドフィルス菌を増やして悪玉菌の増殖を抑える効果があります。毎日、ヨーグルトなどから摂取すると良いでしょう。
 【キャベツ】
 キャベツに含まれるビタミンUは、胃壁の粘膜を丈夫にして胃潰瘍や十二指腸潰瘍を予防する働きがあるといわれています。食物繊維が豊富に含まれているので、生で良く噛んで食べることをオススメします。生だと食べにくい人は湯通ししたものを食べると良いでしょう。
 

【大腸の検査】
こんな人は大腸の検査を受けましょう。

◆50歳以上で大腸の検査を受けていない人

◆便秘や下痢を繰り返す人

◆肉をたくさん食べ、野菜をあまり食べない人

◆便が細くなったり、残便感がある人

◆近親者に大腸がんの人がいる人

    
 
 
 
大腸がんを早期発見するためには
 大腸の検査を定期的に受ければ大腸がんによる死亡リスクは確実に下がります。便潜血反応が陽性と言われたら、注腸造影検査か大腸内視鏡検査を受けることが大切です。
 
便潜血反応検査
 あらかじめ配布された採便容器を用いて、便を採ります。
 便は新しいうちに検査をしたほうがよいので、提出直前に採ったものにします。採便容器は検査を受ける施設によって多少違うことがありますが、説明書を読んで正しく採便するようにして下さい。
 
※便が硬くて肛門が切れた場合や女性は月経血が入ってしまうことがあるので、このような時の検査は避けて下さい。
 
 
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