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〜痔の種類〜
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・いぼ痔 ・切れ痔 ・直接肛門周囲膿瘍 ・痔瘻(じろう) ・脱肛
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いぼ痔
- 痔核は、肛門輪付近に発達した直腸静脈叢の静脈瘤のような変化でしばしば炎症を併発し血栓性静脈炎の形をとることがあります。
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痔動脈から流れてきた血液は、直腸静脈叢を通って、上直腸静脈から門脈に戻りますが、肝硬変で門脈圧が亢進していたり、妊娠などで腹圧が高まっていたりなどで、血液の戻りが悪くなってうっ血し、粘膜下に静脈瘤をつくります。常習便秘の人や排便時にいきむくせのある人に多くみられ、妊娠や冷え症、長時間車の運転する人などは注意が必要です。
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切れ痔(裂肛)
- 裂肛とは肛門部のやわらかい皮膚や粘膜が切れる病気で女性に多く発症します。便秘が主な原因で排便時の糞便のかたまりによる過度の伸びによって生じます。排便時の強い痛みと出血があり、痔核を合併していて、それに近接する部分が切れると大出血をおこす場合があります。
- 軽いものは手術をしないで治りますが、慢性化すると肛門に便がたまりやすく、炎症のもととなり、ときには潰瘍を起こすことになるので早期に治療しておくほうが良いでしよう。
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直腸肛門周囲膿瘍
- 下部直腸と肛門管の周囲に炎症が起こり、膿瘍をつくった状態をいいます。
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膿瘍の部位と広がりによって差がありますが、肛門部の痔痛が特徴的です。
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痛みは持続的で、すわったり排便すると痛みが増強します。肛門部に熱感を伴う腫れがみられ、高熱がでたり、震えなどの全身症状をあらわす場合もあります。
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自然に皮膚の一部がはがれて、膿が出てしまうと痛みがやわらぎます。
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まれに、クローン病、ガンなどの病気が原因になることもあるので、早期の検査治療が必要です。
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脱肛
- 脱肛は大きくなった痔核(いぼ痔)が排便時に脱出すると同時に正常な組織まで肛門の外へ飛び出して肛門全体がひっくり返った状態になるものです。
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高年齢層にみられるものは、加齢に従って起こる肛門部の直腸部の組織のゆるみによるものが多いようです。
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また、女性は出産が原因となって痔がひどくなり脱肛を起こすことが少なくありません。
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脱出した状態の程度、肛門括約筋のゆるみの程度を診断し治療をします。
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【痔を予防する日常生活】
◆肛門周辺をいつも清潔にしておく
◆便秘や下痢をしない
◆刺激物やアルコールを控える
◆おしりが冷えるようなイスに座らない
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痔を予防改善するための食事
- 痔の大敵はなんといっても便秘です。楽に排便するために食物繊維とビタミンEを摂取し、腸内環境を良くするために、ヨーグルトなどを毎日とるように心がけましょう。
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食物繊維を多く含む食品 |
穀類 |
玄米・胚芽米・胚芽パン・ライ麦パン・全粒粉パン・ソバ |
野菜 |
ゴボウ・カボチャ・ブロッコリー・ニンジン・ホウレン草などの緑黄色野菜 |
イモ類 |
サツマイモ・里芋・ジャガイモ・山芋 |
海藻・キノコ類 |
ワカメ・昆布・エノキ茸・シイタケ・シメジ |
果物 |
バナナ・キュウイ・リンゴ・モモ・イチジク |
その他 |
寒天・コンニャク・切り干し大根・コーンフレーク・オートミール |
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刺激物やアルコールは控えましょう
- ※からし・わさび・しようが・カレーなどの香辛料を多く使った食べ物は、刺激が強くて、大量に摂り過ぎると刺激物が便の中に残って皮膚を刺激し、痔を悪化させることになります。
- アルコールも少しなら血行促進に役立ちますが、飲み過ぎたり冷たいビールなどでお腹を冷やすと下痢を起こし、これも痔には良くありません。
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便秘にならないために
- 便意を感じたら、そのタイミングを逃さずにトイレに行くことや適度な運動をすることも大切です。
- 痔は憶することなく早めに受診し、治療しましょう。
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