生活習慣病の予防は、日頃から正しい生活習慣を守ることが大切です。病気になってはじめて自分の不摂生を後悔する人が多いのですが、病気になってしまってからの養生は、健康な身体の時に実行するより、大変なことです。
 不摂生な生活習慣が寿命を締めてしまうといっても過言ではありません。
 おいしい物を好きなだけ食べる・毎夜、お酒を飲まずにはいられない・睡眠時間が少ない・休日は一日中家でゴロゴロ、このような生活を続けていた人には「バランスのよい食事」「適度な運動」「次の日に疲れを残さないような睡眠」この3つの生活習慣は難しいものです。
 しかし、あなたが病気になりたくない、又は健康な身体を取り戻したいのなら実行せざるを得ません。その日その日を、漫然と送っていませんか?
 
 
 
〔健康な身体をつくるために〕

1.かしこい食生活
 健康を維持するためには体に必要な栄養素を三度の食事からバランスよく摂ることが基本です。
 そのためには毎日「6つの基礎食品群」をもれなく組み合わせて食べることが理想的です。ただし、エネルギー過多にならないように。
 普通の生活をしている40歳代の男性で一日に必要なエネルギーは2400キロカロリー、女性で1950キロカロリーが目安です。
 必要な栄養素をバランスよく摂取することに加えて食事を楽しくゆっくり食べることが大事です。食事は一人で、黙々と食べるより、楽しくゆっくり良く噛んで食べること。一人で食べると早食いになったり簡単に済ませてしまいがちです。楽しく食事をすることは心の健康にも役立ちます。
 
 
6つの基礎食品
1群/タンパク質の供給源(筋肉や骨を作る)…肉・魚・卵・大豆製品
2群/カルシウムの供給源(骨や歯を作り、体の機能を調節する)…牛乳・乳製品・小魚
3群/ビタミン・カロテンの供給源(皮膚や粘膜を保護し、体の機能を調節する)…緑黄色野菜
4群/ビタミンC、ミネラルの供給源(体の機能を調節する)…淡色野菜・果実
5群/糖質の供給源(エネルギー源となる)…米・パン・メン類・イモ・砂糖
6群/脂質の供給源(エネルギー源となる)…バター・植物油などの油脂類
 
 
2.暮らしの中に運動を
 世の中が便利になりすぎて、日常生活で体を動かすことが少なくなってしまいました。その結果、摂取したエネルギーを全て消費できなくなり肥満の人が増えています。  
 肥満になると、動脈硬化、高血圧、心臓病、糖尿病などになるリスクが高くなります。運動は自分の年齢、体力にあったものを選び長く続けることです。
 健康づくりの運動は、毎日規則正しく行うのが理想的です。中高年の人は体を動かした後に「気持ちいい」と思えるくらいの運動量が良いでしょう。
 
 
3.ストレスが蓄積しないように
 過度のストレスは、ノイローゼ、うつ病などを招くばかりでなく、高血圧・胃・十二指腸潰瘍などの体や心の病気を引き起こすことがあります。
 強いストレスに見舞われたときは、過ぎたことをクヨクヨ考えたり、取り越し苦労をしないで、気持ちを切り替えることと十分な休養が大切です。
 休養とは「休む」「養う」の二つの内容を含んでいます。
 休養は単に蓄積された疲労を解消させるだけでなく、明日への活力を生み出し将来を健康に過ごすための心身の条件を養うのに役立ちます。
重要なのは睡眠で、睡眠が不足すると心身の疲労を増大させるばかりでなく、集中力が散漫になって思わぬ事故を招くことがあります。
 特に車の運転をする人は注意しなければなりません。
 睡眠時間7〜8時間の人が最も死亡率が低いと言われていますが個人差があるので、自分の適正な睡眠時間を毎日確保し疲労を明日に持ち越さないようにしましょう。
 
 
【快適な睡眠のために】
最近では薬局に行けば睡眠導入剤なども手軽に購入できますが、まずは自然に眠りにつけるように工夫してみましょう。
(1)寝る30分前に入浴する(シャワーだけで済まさず湯船につかりリラックスする)
(2)寝つけない時は、軽くストレッチ運動や疲れない程度に本を読む
(3)カフェインの入った飲み物は飲まない
(4)寝具や寝間着は清潔でよく乾燥したものにする
(5)眠りをさそうヒ−リング音楽を聴く
(6)光はかすかに残す方が良く眠れるといわれています
 
 
 
4.定期的な健康診断と人間ドック
 手遅れになりがちな慢性の病気を早期に発見するためには健康診断や人間ドックが必要といえます。
 一見、健康そうに見えて自分でも大した病気はしたことないと言っている人でも、健康診断の尿検査や血液検査で異常が発見されることが多くあります。
 病気を早期に発見し、治療することはとても重要です。
 高血圧では早期に発見し、日常生活を改善すれば血圧は下がり合併症も予防できます。糖尿病でも早期なら食事のコントロールで病状を改善できるのです。
 つまり、定期的に健康診断を受けて早期に病気を発見し生活を改善することが、病気の予防にも治療にもなり、また治療費の面でも負担が少なくなります。
 人間ドックは一般的な健康診断より、さらに検査項目を多くして自覚症状の出ないうちに、生活習慣病を発見し、問題があれば経過観察や専門医の紹介を行ったり、生活環境を改善する指導など総合的な健康管理を行います。
 人間ドックにはさまざまな種類があるので、自分の年齢や心配な病気などを考慮して選ぶと良いでしょう。
 
 
 
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