一般に健康診断の血液検査でわかる肝臓の働きを調べる数値や種類には次のようなものがあります。
 結果が出ても、その意味がわからなければ、自己の健康管理に役立てることができません。
 検査結果の数値と正常値・基準値を比べ自分の異常を発見し、早期に治療をしていくことが大切です。
 
   
GOT(AST)・GPT(ALT)

【基準値】

◆GOT(AST)

 12〜37IU/l

◆GPT(ALT)

 7〜45IU/l

 最も一般的な肝機能の検査です。これらの検査値が高い場合は、まず肝臓病が疑われます。
 特にGPTが高ければ、肝臓の異常によると考えられ、GOTだけが高い場合は、心筋梗塞や筋炎など筋肉の病気を疑います。
 アルコール性肝障害ではGOTがGPTより高くなります。値が100IU/リットルを超えていたらすぐに医療機関を受診して下さい。
 軽度の上昇でも早めの受診を心がけて下さい。
 
γ-GTP

【基準値】

◆男

 8〜50IU/l

◆GPT(ALT)

 6〜30IU/l

 γ-GTPは肝臓・腎臓・脾臓・膵臓などに含まれている酵素で、その数値はアルコールと相関関係があります。ですから、アルコール性肝障害の予防や早期発見、診断にはこの検査は欠かせません。  
 また、胆汁の流れに異常をきたす病気になると異常値を示します。この数値が80IU/リットル以上になるとアルコール性肝障害や閉塞性黄疸の疑いが強くなります。
 
ALP

【基準値】

◆ALP

 124〜367IU/l

 ALP(アルカリホスファターゼ)は、肝臓や胆管などの細胞膜に多く存在しており、ALP値の上昇は肝機能の低下や胆汁うっ滞を示します。
  また、アルコール性肝障害が慢性化して肝硬変になった場合にはγ-GTPがあまり高値にならずALPが著しく高くなることがあります。
 他の肝機能検査で異常がなくALPが高値の場合は骨の病気なども考えられます。
 
総ビリルビン

【基準値】

◆総ビリルビン

 0.3〜1.2mg/dl

 高値のときは、急性肝炎・肝硬変・アルコール性肝炎などの肝臓病や、胆石・胆のう炎・胆管ガンなどの胆道の病気が疑われます。  
 通常、総ビリルビンが2〜3mg/dリットル以上になると黄疸が現れます。
 
血清総タンパク
 

【基準値】

◆血清総タンパク

 6.8〜8.3g/dl

※検査機関によって基準値が異なることがあります。

 血清に含まれるタンパクの総量を調べます。
 主なものはアルブミンとグロブリンで、多くが肝臓で合成されているため肝機能に問題が生じると異常値になります。
 値が高すぎる場合は、膠原病・多発性骨髄腫などが考えられ、値が低すぎる場合は、肝臓病によるタンパク合成能力が低下や消化吸収障害などが考えられます。
 肝臓は、血液中の栄養素を体の要求に応じた物質につくりかえたり、一旦、貯蔵してから体に送り出す代謝機能をつかさどり、アルコール・薬物・体内の有害物質を分解して取り除く解毒機能も重要な役割です。
 また胆汁を分泌し、脂肪やビタミンなどの吸収を促進したり、老廃物を排泄する役目も担っています。
 肝細胞の主成分はタンパク質です。
 このタンパク質を合成するには必須アミノ酸のバランスがとれた食品を食べる必要があるのです。
 
 
私たちの体にとってはとても重要な役割のある肝臓
毎日の日常生活でいたわってあげるためには
(1)十分な休養
(2)高タンパク、適正カロリー、高ビタミンの食事
(3)アルコールを控え目に
(4)適度な運動
(5)ストレスをためこまない
 
 
肝臓のためのオススメ食品
 肝臓の機能が低下している人やお酒を飲む人は特に肝機能を強化する食品を摂取することをオススメします。
〔もやし〕
もやしは昔から肝機能を高める食材といわれています。良質のタンパク質が吸収されやすい形で含まれており、ビタミンB1・B2・ビタミンC・カルシウムなども豊富。
〔しじみ〕
しじみは栄養価の高い食品でアミノ酸価が高くビタミンB2・カルシウム・鉄分・亜鉛なども豊富に含みます。
しじみは冷凍したしじみのほうが栄養価が高くなります。
〔紫イモ〕
最近スーパーなどで手に入るようになった紫イモですが、この紫イモの紫色の正体はアントシアニンという色素成分で高い抗酸化作用があります。肝細胞を活性酸素の害から守る働きをしてくれます。その他、ビタミンB1・B2・C・E・カルシウム・マグネシウム・カリウム・亜鉛などを含み、健康効果が期待できる食品です。
 
 
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