40歳以上の10人に1人が糖尿病といわれているのですが、年々増え続けています。
糖尿病は便利で豊かな時代が招いた現代病といえます。
食糧事情が良くなり、高脂肪・高カロリーの食事で肥満を招き、自動車や家電製品の普及で便利な暮らしを手に入れたかわりに運動不足になるなど糖尿病の大きな誘因となっています。
糖尿病を見つける目的で検査をするのが、糖代謝の検査です。
健康診断で一般に行われる血液検査の項目で、糖代謝の状態を調べているのが「空腹時血糖」と「ヘモグロビンA1C」です。「糖尿病検査」と記載されている場合もあります。
通常、空腹時血糖は健康な人で、61〜109mg/dlくらいです。
日本糖尿病学会の基準によれば、空腹時血糖で血糖値が126mg/dl以上なら「糖尿病型」、11Omg/dl未満なら「正常型」、どちらにも属さない場合は「境界型」と判定されます。
糖尿病は、早期発見・早期治療に努めることが大切です。
治療が遅れるほど合併症の危険が高まります。
しかし、糖尿病は初期にはほとんど自覚症状がなく、健康診断で血糖値が高く発見される場合も少なくありません。
次のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
●生活習慣が引き金となって起こるタイプで日本人の糖尿病の約8割を占めています。
●遺伝的な素因に加えて、肥満・食べ過ぎ・運動不足・ストレス・アルコールの多飲・加齢などが原因。
●2型糖尿病の治療は生活習慣を改善し、インスリンの働きを改善することが重要です。血糖値が下がらない場合は薬物療法を行うことになります。
●体内でインスリンが分泌されないタイプで日本人には少なく、ほとんどが青年期までに発病します。
●何らかの原因で膵臓のβ細胞が破壊されたためにインスリンの分泌量が絶対的に不足することで起こります。
●体外から注射でインスリンを補う「インスリン療法」が必要です。
●遺伝子異常によるものと、何らかの病気や薬剤の使用によって起こるものです。
●原因となっている病気の治療を行うなど原因を取り除くことで治癒します。
●妊娠を切っ掛けに発症した場合。
●妊娠するとホルモンのバランスが変わり、その影響でインスリンの分泌が不足すると高血糖になります。
●高血糖が進むと胎児に悪影響を与えるので、食事制限やインスリン療法を行うこともあります。
糖尿病の治療は、血糖をコントロールするための治療と合併症の治療、そして生活習慣の改善が重要です。
血糖を基準値に近づけることで、喉の渇き・多尿・倦怠感などの自覚症状を改善し、合併症を防止することになります。
食事療法は、糖尿病の治療ではとても重要です。ポイントをしっかり覚えて実行して下さい。
ポイント
(1)食事全体が低エネルギーであること
(2)タンパク質・炭水化物・脂質の三大栄養素をバランス良く摂取する
(3)ビタミン・ミネラルが不足しないように注意する
●砂糖を多く含む食品(ケーキ・清涼飲料水・お菓子など)
※砂糖は消化吸収が早く血糖値の急激な上昇を招きやすい。
●塩分を多く含む食品(練製品・佃煮・タラコ・漬け物など)
※塩分の摂り過ぎは、高血圧の原因にもなります。
●コレステロール、飽和脂 肪酸を多く含む食品(アワビ・イカ・レバー・肉の脂身など)
※血中脂質が高くなり、動脈硬化を起こしやすくなります。
●アルコール類
※アルコールはエネルギーが高いので、なるべく控えましょう。
食事療法と並んで糖尿病治療の基本となりますが運動を始める前に必ず医師によるメディカルチェックを受けることが必要です。
メディカルチェックの結果、特に問題がなければ運動を始めます。
ポイント
(1)無理なく長期間続けられる
(2)一人で手軽にできる
(3)運動量が調整できる
ポイント(1)〜(3)を満たすものでオススメの運動がウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリング・エアロビクスなどです。
有酸素運動を続けることで、インスリンの働きが良くなります。