ドライマウス(口腔乾燥症)は、唾液の分泌が減って、口の中が乾いた状態になる50歳以上の女性に多くみられる疾患です。
ドライマウスは、唾液の分泌量が低下することによって口の中が乾き、様々な不快症状が出て、ひどくなると舌がヒビ割れたり、食べ物の味がわかりにくくなる味覚障害を生じます。
唾液には抗菌作用や自浄作用などがあり、健康を守る重要な働きがあるので、唾液が少なくなると口臭が強くなり、虫歯や歯周病、口内炎などの病気にかかりやすくなります。
〈唾液の働き〉
自己チェックしてみよう! 口の中が乾く 唾液が少ない 舌や唇がヒビ割れたりヒリヒリする 口臭がする 口の中がネバネバする 食べ物が飲み込みにくい 舌がもつれて話しづらい |
▼加齢
口の周りの筋肉や歯の衰えなどから咀嚼力が低下するため、唾液の分泌量が少なくなります。
加齢と共に分泌能力も低下します。
▼女性ホルモンの低下
女性の場合、更年期になると女性ホルモンの分泌が低下します。
それに伴って唾液の分泌量も減ります。
▼ストレス
唾液腺は自律神経に支配されているので、ストレスがあると交感神経が強く働いて、唾液の分泌が抑制されます。
▼生活習慣
食べ物をよく噛まない、早食い、喫煙などの影響で唾液の分泌が低下します。
▼その他
糖尿病や甲状腺などの病気が原因でおこる場合や抗うつ薬・睡眠薬・降圧薬などに唾液の分泌量を減少させるものがあります。
※シェーグレン症候群による唾液の分泌低下
シェーグレン症候群とは、膠原病のひとつで主に涙腺や唾液腺などの外分泌腺に炎症が生じ、涙や唾液などが出にくくなる病気です。
日本での患者数は20〜30万人ともいわれており、女性に多い病気です。
ドライマウスの人は、口の中の潤いが少ないため食べ物が飲み込みづらいことから、軟らかく噛まずにすむ物を食べる傾向にあります。
しかし、軟らかい物ばかり食べていると益々唾液の分泌量が減ってしまうので悪循環になります。
唾液をたくさん出すためには、よく噛んでゆっくり食べることが必要です。
レモンやミカンなどの柑橘類、梅干しなどを食べて唾液の分泌を促しましょう。ガムも効果がありますので、砂糖の入っていないタイプのガムが良いでしょう。
保湿ケア製品を使って口の中の乾燥を予防する。
お茶や水を時々口に含ませることでも乾燥からガードできます。
乾燥が酷い場合は、歯科や歯科口腔外科に相談しましょう。
乾燥した部屋にいると益々、口の中が乾きます。
冷暖房の効かせすぎに注意し、加湿器などを使って部屋が乾燥しないようにしましょう。