痛風も生活習慣病

痛風は、かつては『贅沢病』と言われていました。  

現在、食生活が欧米化している日本では、患者数が60万人以上、予備軍を含めると500万人以上にのぼるといわれる生活習慣病の一つです。

尿酸が過剰につくられたり、腎臓での排泄が不良になったりして尿酸の濃度が高くなると、関節で結晶化し、主として足の親指の付け根や足首などに付着し、一晩のうちに関節が痛くて歩けないほど真っ赤に腫れ、急性関節炎(痛風)を起こします。

痛風の発作は我慢できないほどの強烈な痛みが起こるのが特徴です。

人によっては、発作の直前にムズムズとした違和感やビリビリする痛みなどの前兆を自覚する場合もあります。

通常、痛みは最初から激痛で始まり、24時間以内に最大の痛みとなり、この激痛はそのまま我慢して放置すると、軽いもので三日、ひどいもので一週間から十日もすると自然に軽快します。多くの人はここで放置してしまいます。

しかし、病院に行かずに見過ごしたり、治療を途中でやめてしまうと半年〜一年後に再発し、腎臓や心臓などに合併症を引き起こしたりする可能性が高くなるので、必ず適切な治療を受けて下さい。

痛風は男性の病気?

痛風の患者さんの95%以上が男性です。女性に 痛風が少ないのは、元々尿酸値が低く、エストロゲンという女性ホルモンが尿酸の排泄を促すためと考えられています。

しかし、女性は閉経するとエストロゲンの分泌が減るために、尿酸値は上昇します。

肥満していなくても痛風になるの?

特に肥満していなくても痛風になる患者さんはいます。 糖尿病などの生活習慣病と同じく、痛風を発症する約2割に遺伝的体質があると言われています。  

しかし、それも家族が全員同じ食生活で痛風になりやすくなっているとも考えられます。

痛風の合併症は?

痛風の合併症で注意したいのは、腎障害・尿路結石などです。

近年は、痛風の早期治療で重症な腎障害は減少してきましたが透析が必要になる人は少なくありません。

また、高尿酸血症の人は、尿路結石症にかかる頻度が通常の人の10倍以上と言われています。

尿酸値を高くする主な原因

皮下脂肪型肥満は尿酸の排泄が悪くなり、内臓脂肪型肥満は尿酸が過剰に作られます。

アルコール

アルコール類は、尿酸の生成を促進します。特にビールや蒸留酒(ウイスキー・ブランデー・焼酎など)の摂取量が増えるほど発症率は高まります。

ストレス

ストレスがたまると、自律神経系の作用を介して尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、ストレスを発散するために暴飲暴食などに問題がある場合もあります。

その他

プリン体を多く含んだ食品の摂り過ぎ・腎障害体質・水分の摂取不足・激しい無酸素運動などです。

痛風の発作が起こったら

まず、炎症を抑えるために、患部を冷やし安静にします。横になる時は、座布団などの上に足を乗せると少し楽になります。 尿酸の排出を促すために、水分補給をしましょう。 できるだけ早く病院へ行き、治療することで回復を早めることができます。

日常生活での注意

痛風の人は、暴飲暴食や偏食のある人が多いので、食生活に注意をしなければなりません。


 

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