中高年での膝の痛みの原因で最も多いのが、「変形性膝関節症」です。
膝の関節の軟骨がすり減っていく病気で男性より女性に多く、原因は次のとおりです。
変形性膝関節症の主な原因
・肥満
体重を支える膝の負担が大きくなる。
・加齢による筋力の低下
関節を支えている筋力が低下し、膝の動きが不安定になり、負担が増加する。
・外傷
過去に半月板や靱帯を損傷したことがある
・O脚、X脚
膝にかかる圧力が片側に集中するため、軟骨が傷つきやすい。
・その他
関節リウマチや痛風などの病気がある場合。
最初は正座やイスから立ち上がるときや階段の上り下りなどに痛みが出てきます。軟骨自体には神経がないので痛みはないのですが、軟骨が磨り減って骨が 露出すると痛みます。
進行していくと、次第に平地を歩くときでも痛みが出るようになり、膝に水が溜まったり、腫れてくるようになります。さらに進行すると、膝を曲げたりのばしたりすることができなくなり、長時間歩くことができなくなります。
高齢になると「体のそこかしことが痛むのはあたりまえ」なんて放っておくと、歩けなくなってしまいます。異常に気づいたらなるべく早く医療機関を受診しましょう。
痛みの強い場合は、消炎鎮痛剤を用いたり、膝関節にヒアルロン酸や副腎皮質ホルモンを注射します。
ヒアルロン酸を注入することで軟骨の表面を保護したり、滑りをよくしたりします。このような治療をしても痛みがとれないときは手術が必要になります。手術法は年齢や体力、膝の状態などを考慮し判断されます。
まず膝に負担をかけないようにしなければなりません。肥満は大敵です。暴飲暴食を避け、カロリーオーバーにならないように、栄養バランスの良い食事を心がけます。骨を作るカルシウムやタンパク質、ビタミンDが不足しないように。
膝を曲げる動作が負担となるので、正座や和式トイレなどは避け、膝を冷やさないようにします。
太ももの筋肉が低下して膝が安定しないときは、サポーターを着用すると軽い圧迫で膝にかかる負担を減らすことができます。
変形性膝関節症を改善するための運動はストレッチとウォーキングです。ただし、痛みの激しい時期や運動中に痛みが出そうになったら中止します。膝の状態には個人差があるので、運動をしてもよいか、かかりつけの医師に相談してから行いましょう。
また、日常外出する場合もウォーキングシューズを使用するとよいでしょう。 ウォーキングシューズは底にクッション性があり歩きやすく負担が少なくなります。