関節リウマチ

 関節リウマチは、関節の炎症と痛みが多発性に全身に出現する病気で、関節の炎症が進行すると動きが制限され、変形して関節の機能が損なわれてしまう病気です。  

 どの年齢層でも発病しますが、多くは30〜50歳代の、女性に多い病気です。出産や閉経をきっかけに発病、悪化することが多いため、女性ホルモンとの関連も指摘されています。

 原因がまだはっきり解明されていませんが、何かの原因で免疫異常が生じ、関節炎を起こします。リウマチになりやすい遺伝的な素因が合って、それに何らかの後天的要因が加わって発症するのではないかと考えられています。後天的要因の一つに、細菌やウイルスによる感染が引き金となっている可能性が有力視されています。

 

症状の現れ方

 初発症状の80%〜90%が関節痛と関節の腫れで、その他、朝のこわばり、発熱、疲労感などです。  

 関節痛や関節の腫れは数週間から数ヶ月かけて徐々に強くなることが多く、熱感をともなうこともあります。最初におかされる関節は手首、手指が全体の約半数を占めており、ついで膝や足の指などです。

 病気が進行するごとに典型的な関節症状がみられ、初期には数箇所であった関節炎も、やがて全身いたるところの関節に及ぶようになります。合併症が現れることもあります。貧血、発熱、全身倦怠感、体重減少やリウマトイド結節、腱鞘炎、むくみ、目の疾患などが起こる場合があります。

 朝、手足がこわばるなどの症状などがある場合は早めに医療機関を受診し、検査を受けましょう。検査は血液検査やX線検査によって診断されます。

 

関節リウマチの治療

 早期に診断し、治療すれば、それだけ症状が軽くすみます。これまでの関節リウマチの治療は基礎療法を基盤として、効果が無ければ消炎鎮痛薬、それがダメなら抗リウマチ薬を追加していくような治療が一般的でしたが、最近では、早期から関節リウマチの自然経過を変え、進行を抑える抗リウマチ薬(DMARDs)を用いることをアメリカリウマチ学会で推奨しています。  

 

関節リウマチの人の日常生活

関節リウマチの人が日常生活で気をつけるポイントは、安静と適度な運動です。

安静は全身・局所・精神の3つの安静が必要です。

★十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送る

★関節が痛む時は、無理をせず安静にする

★体が冷えないように注意する

★関節炎が軽くなったら痛みや疲れが残らない程度の運動をする

★入浴はシャワーで済まさず、ゆっくり湯舟につかり体を温めましょう

★精神的安静のため、趣味などの楽しい時間をもつ

★感染症を防ぐため、うがい・手洗いを習慣にしましょう

 

食事療法

 関節リウマチの治療の中で食生活は重要です。有効な栄養素は、良質なタンパク質や青背の魚の脂肪に含まれるDHA、EPA、カルシウム、ビタミン類です。脂肪分の少ない肉類や魚の動物性タンパク質と豆腐などの植物性タンパク質を半々にとり、野菜中心の食事を心がけてください。 また、リウマチの痛みがあることで体を動かす機会が減ることから、骨粗鬆症を合併しやすいので、牛乳や小魚など、カルシウムを多く含む食品もとることが大切です。肥満すると関節に負担がかかるので、エネルギー過多にならないように気をつけましょう。  

 

体を温める食べ物がオススメ!

肉・魚介類

 牛肉、鶏肉、馬肉、牛レバー、豚レバー、鶏レバー、ラム肉、あじ、いわし、あなご、えび など

野 菜

 うど、かぼちゃ、からし菜、キャベツ、小松菜、玉ねぎ、しょうが、かぶ、しそ、にんにく、ピーマン、ふき、らっきょう、ねぎ など

穀類・豆

 玄米、もち米、麦芽、いんげん豆 など

 

日本リウマチ学会が定めた早期関節リウマチの診断基準(1994)

  1. 3つ以上の関節で、指を押さえたり動かしたりすると痛みを感じる
  2. 2つ以上の関節に炎症による腫れがみられる
  3. 朝のこわばりがみられる
  4. 皮下結節(リイウマトイド結節)がひじやひざなどにみられる
  5. 血液検査で赤沈に異常がみられる、またはCRPが陽性である
  6. 血液検査でリイウマトイド因子が陽性である

上記6項目のうち、3項目以上にあてはまる場合を早期関節リウマチとします。

※関節の痛みや腫れ、朝の関節のこわばりなどの症状があればすぐに医療機関を受診しましょう。

 

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