ノロウイルスにご注意!

 この季節になると「ノロウイルス」の言葉をよく耳にします。厚生労働省のデータでは、ノロウイルスによる食中毒は、食中毒事件の約3割〜4割、患者数では総患者数の7割にものぼります。  

 ノロウイルスによる食中毒及び感染症の発生を防止するために、ノロウイルスに関する正しい知識と予防対策についての知識を深めましょう。

ノロウイルスに関するQ&A



Q.ノロウイルスによる胃腸炎はどのようなものですか?

 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、1年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、人の腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。 健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。

 

Q.ノロウイルスはどうやって感染するのですか?

 主な感染経路は経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。

  1. ノロウイルスに感染している患者さんのふん便や吐ぶつから人の手などを介して感染する
  2. 家庭や共同生活施設などの人同士が触れ合う機会の多いところで人から人へ感染する
  3. 食品を取り扱う職業の人が感染していて、その人を介して感染する
  4. 汚染されている二枚貝を生や十分な加熱調理をせずに食べた場合
  5. ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を不十分な消毒で摂取した場合

 などがあります。

 

Q.ノロウイルスに感染するとどんな症状になるのですか?

 潜伏期問は24〜48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度です。通常、これらの症状が1〜2日続き、治った後は後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。

 

Q.発症した場合の治療法はありますか?

 現在、ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤は少なく、通常、対症療法が行われます。特に、体力の弱い乳幼児や高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。下痢止め薬は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。

 

Q.ノロウイルス食中毒の予防方法は?

 ノロウイルス食中毒を防ぐためには、

  1. 加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱する
  2. 食品取扱者や調理器具などからの二次汚染を防止する

 これらが重要になります。

 

Q.食品中のウイルスを失活化するためには、加熱処理が有効とききましたがどのようにすればよいですか?

 ノロウイルスの失活化の温度と時間については、現時点においてこのウイルスを培養細胞で増やす手法が確立していないため、正確な数値はありませんが、同じようなウイルスから推定すると、全品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性はなくなるとされています。

 

Q.手洗いはどのようにすればいいのですか?

 手洗いは、調理を行う前(特に飲食業を行っている場合は食事を提供す前も)、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後(手袋をして直接触れないようにしていても)には必ず行いましょう。 常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、ブラシなどを使用して手指を洗浄します。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔なタオル又はペーパータオルで拭きます。石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。

 

Q.ノロウイルスによる感染性胃腸炎のまん延を防止する方法は?

 家庭内や集団で生活している施設においてノロウイルスが発生した場合、そのまん延を防ぐためには、ノロウイルスに感染した人のふん便や吐ぶつからの二次感染、人から人への直接感染、飛沫感染を予防する必要があります。毎年、11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行しますが、この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。

 

Q.感染が疑われた場合、どこに相談すればいいのですか?

 最寄りの保健所やかかりつけの医師にご相談下さい。また、保育園、学校や高齢者の施設等で発生したときは早く診断を確定し、適切な対症療法を行うとともに、感染経路を調べ、感染の拡大を防ぐことが重要ですので、速やかに最寄りの保健所にご相談下さい。

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