免疫力を高め体を守る

 私たちの体が感染症などに対して抵抗力を獲得する現象を免疫といいます。この免疫の働きは、強弱の差はあるものの、誰もが持っている生体の防御システムですが、ストレス過多や体の冷えなどで免疫力が低くなっている人が多いといえます。

 免疫力が低下していると風邪をひきやすくなったり、アレルギー性の病気や生活習慣病、がんなどの命に関わる病気にかかりやすくなります。免疫力を高めておくことが、そのような病気の予防になるといえます。

 

免疫力を高めるためには

1.腸を元気にする

 腸の中には善玉菌と悪玉菌、そのつどどちらか強いほうに付く日和見菌の3つに分けられ、善玉菌が多いと免疫力が高まります。脂肪の多い食事、ストレス、睡眠不足、冷えなどで腸が元気がなくなってしまうと、悪玉菌が増えすぎて免疫力が低下します。

 善玉菌を増やすには食物繊維を積極的にとることです。特にヌルヌル食品、オクラやモロヘイヤ、海藻、こんにゃくなど水溶性食物繊維を含むものは、善玉菌を増やし、便秘を解消し、免疫力を高めます。

 また、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌は細胞膜に免疫力を高める働きがあり、ビフィズス菌が腸内で作る酪酸は大腸ガンを抑制するといわれています。

2.体を冷やさない

 体が冷えると、肩こり、腰痛、下痢、便秘、生理不順、貧血などのさまざまな不快症状が現れます。体の冷えは自律神経を乱し、免疫力が低下します。冬はもちろんのこと、夏でも冷房などで体が冷えないように襟巻きや靴下、腹巻などを利用して冷え対策をしましよう。

3.ストレス解消

 ストレスを受けると交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になり、その結果免疫力が低下します。ストレス解消は人によって様々な解消法があると思いますが、一番簡単なものが入浴です。ぬるめのお湯につかってリラックスし、夜更かしをしないで十分な睡眠をとりましょう。

 

免疫力を高める抗酸化食品

 免疫力を高めるには、活性酸素を取り除く効果の高い抗酸化食品を積極的にとりましょう。抗酸化物質とはビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群、β-カロテン、ポリフェノールなどで、野菜や果物に含まれています。

 

免疫力を高める食品

にんにく

 にんにくは、アリインというたんばく質が多く含まれていて、アリインが酸素に触れると、アリシンに変化します。アリシンは細胞内に浸透しやすく、酸素と結びつきやすい性質で、細胞膜や遺伝子の代わりに活性酸素に利用されて体外に排出してくれるのです。にんにくには、こうした抗酸化作用でがん予防や免疫強化作用に優れているので、1日1〜2かけほどの適量を取ることをオススメします。

バナナ

 バナナは白血球の働きを高めて免疫力を高めます。栄養価も高く、消化吸収抜群です。便秘を防ぐので腸内環境が整い、がん予防に役立ちます。

かぼちゃ

 かぼちゃにはβ-カロテンが豊富です。β-カロテンは、粘膜などの細胞を強化して免疫力を高めます。またβ−カロテンには抗酸化作用もあり、老化やがん予防に効果があるといわれています。かぼちゃはビタミンCやE、葉酸なども含まれており、食物繊維も豊富なので、理想の健康食品といえます。

ヨーグルト

 ヨーグルトは腸内の善玉菌を増やして免疫力を高めます。ヨーグルトの中に含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌には血圧上昇抑制やコレステロール値を下げる働きがあります。 また、インターフェロンの体内産生を促進するので免疫機能に有効です。

 

ストレスが多いと免疫力が低下する

 ストレスが全くないと言える人はほとんどいないのではないでしょうか。体と精神を休めるためには睡眠が一番重要です。  

 免疫力を高めるためにも1日7〜8時間は眠ること。皆さんも経験があるかと思いますが、睡眠不足が続いていたり、よい眠りができていなかったりすると風邪をひいたり、体調を崩したりします。十分な睡眠をとっていると免疫力が上がり、病気になりにくくします。

 そして、良い睡眠をとるためには入浴はかかせません。1日の疲れをリセットする入浴はシャワーだけで済まさず湯舟につかり、リラックスしましょう。

 

間違ったダイエットは免疫力を低下させます

 ダイエットとは本来、病気治療や健康増進を目的とした食事療法又はそのための特別食、制限食をいうのですが、一般には美容、肥満防止のための食事制限や減量法の意味に使われることが多いのです。TVなどでダイエットの特集番組があるとすぐに飛びつく人がいますが、ダイエットの危険も知っておくべきです。注意したいのが、例えば単一食品だけを取り入れるようなダイエット。1日中キャベツばかりを食べる、リンゴ、バナナ、ひどいものになると水だけなんてダイエットまで。これでは必要な栄養がとれず病気になってしまいます。肥満になってしまう原因の多くは摂取したエネルギーを消費できていない点にあります。運動不足なのです。  

 運動量が少ない人は摂取カロリーを少なめにしないといけないのですが、ついついおいしいものをガッツリ食べてしまうため、肥満になります。

 肥満が何故いけないのかというと、高血圧や高脂血症などあらゆる生活習慣病の引き金となり、命を脅かすからです。「栄養不足にならないように、適正な体重にする」ことを忘れてはなりません。

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