多くの人が慢性頭痛に悩んでいます。その数は三千万人とも四千万人ともいわれ、ストレス社会を物語っています。頭痛には日常的な頭痛のほか、病気が原因の頭痛と慢性頭痛があります。自分の頭痛がどのようなものか知り、適切な処置や対策をして欲しいと思います。
慢性頭痛には、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3つのタイプがあります。それぞれに対処法が大きく異なります。慢性頭痛のうち最も多いのが緊張型頭痛、次いで片頭痛ですが、この二つはしばしば混同されやすいので、自己判断で誤った対処をしないため、一度受診することをオススメします。
<群発頭痛>
・20〜30代の男性に多い・目の奥の激しい痛みがあります・目の後ろの血管の拡張が原因となる
<片頭痛>
・20〜40代の女性に多い ・脳の血管の拡張が原因となる ・発作性のズキンズキンと脈打つような痛み
<緊張型頭痛>
・幅広い年齢層に見られ女性に多い・首筋や肩、頭の筋肉のコリが原因となることが多い・頭が締め付けられるような痛み
【痛み方】
発作的に始まりズキズキンと脈打つように痛み、日常生活に支障をきたす
【痛む部分】
頭の片側、もしくは両側
【症状】
体を動かすと痛みが悪化し、吐き気や嘔吐を伴うことも、目の前がチカチカしたり、音や光、においに敏感になる
【誘因】
寝不足、寝すぎ、空腹、ストレス、気候の変化など
※飲食物が誘因となることも…
(赤ワイン・チョコレート・チーズなど)
片頭病は脳の血管が急激に拡張し炎症を起こして発症します。発作時は強い痛みで日常生活に支障をきたすことも。体を動かすと痛みが悪化するので安静を保つことか望ましく、痛みの部位を冷やし、血管を収縮させると痛みが和らぎます。また、空腹のために起こる低血糖は誘因の一つと考えられるので、吐き気が無い場合は規則正しく食事をするように。発作の初期はコーヒーや紅茶に含まれるカフェインを取ると少し楽になることがあります。
【痛み方】
突然目の奥に激しい痛みで頭を抱えて転げまわる人も... 季節の変わり目に集中している
【痛む部位】
片側の目の奥
【誘因】
飲酒、喫煙、気圧の変化、入浴 睡眠のリズムの乱れなど
群発頭痛は三叉神経が炎症物質を放出するために目の後ろの眼動脈や内頚動脈が拡張し、炎症を起こすことで痛みか発症します。片側の目の奥が激しく痛み、市販の鎮痛剤では対処は難しいので医療機関での治療が必要です。発作の起きる時間は人によってほぼ決まっているので、群発期こは誘因を避ける生活をし、医師に予防薬を処方してもらうと良いでしょう。
【痛み方】
しめつけられるような痛みがあり、頭が重い
【痛む部位】
頭の両側、頭全体
【痛む頻度】
いつとはなしに始まり、ほぼ毎日だらだらと続く
【誘因】
長時間のデスクワークやパソコン操作、運動不足、精神的ストレス
緊張型頭痛は首や肩の筋肉のコリから血行不良を起こして頭痛に至るものです。長時間、同じ姿勢でのデスクワークや、精神的なストレスも誘因となりやすいので、こまめにストレッチをしたり、ぬるめの風呂につかり、首や肩を温めたタオルを当て血行を促進すると良いでしょう。
頭痛で受診をする時は、頭痛の診断では、問診が重要になります。ですから自分の頭痛の症状を正確に 医師に伝えなければなりません。
最低限上記の1〜4のことをあらかじめメモをとり、受診時に医師に見せても良いでしょう
頭痛薬の上手な使い方
市販の頭痛薬に含まれる鎮痛成分には、その成分が痛みにどのような作用をするか、それぞれ特徴があります。
市販薬の主な成分と特徴 | |
鎮静成分 | |
イブプロフェン | 医療用の成分を市販薬に転用したスイッチOTC薬の1つ。
強い抗炎症作用を持ち、炎症のある痛み、月経痛にも向く。 胃腸障害などの副作用は少ない。 |
エテンザミド | アスピリンとほぼ同じ作用を持つが、胃腸障害はアスピリンより弱いとされる。 |
アセトアミノフェン | 脳の中枢に働きかけて痛みを鎮める。効き目は穏やかだが、安全性が高く、小児の解熱鎮痛薬の主流になっている。 |
アスピリン | 非ステロイド系消炎沈痛成分の代表。炎症物質の産生を抑え、炎症に伴う痛みを緩和させる。副作用で胃を荒らしやすい。小児の使用は避ける。 |
イソプロピル アンチピリン |
スイッチOTC薬の1つ。副作用で発疹が出ることがあるので、アレルギー体質の人は使用前に医師や薬剤師に相談を。 |
そのほかの成分 | |
ブロムワレリル尿素 | 睡眠鎮静作用によって鎮痛効果を高める。服用によって眠気をもよおすことがある。 |
無水カフェイン | 中枢神経を刺激して疲労を緩和したり、眠気を抑えたりする。同時に脳血管に作用し、血管を収縮させて痛みを抑える。 |
頭痛薬は、頭痛を感じた時点で服用するのかポイントですが、なるべく空腹時を避けて十分な量の水で服用します。用法、用量は必ず守り、アルコールと同時に飲んだり、使い続けたりするのはやめましょう。月に数回程度の使用で痛みが和らいでいる場合は問題ないと思いますが、注意してほしいのは、
このような場合は医療機関を受診したほうがよいでしょう。又、次のような頭痛はすぐに医療機関を受診しましょう。
脳卒中やくも膜下出血など命に関わるものがあるので、いつもと違う頭痛と感じたら我慢せずに一刻も早く病院へ。