排便は毎朝1回が理想ですが、一日おきぐらいにお通じがあり、不快な症状がなければ良いでしょう。2〜3日お通じがなく、満腹感や残便感などの不快な症状がある人は便秘といえます。
普段、快適にお通じがあるけれども、たまに便秘になるという人はそれほど心配はありませんが、しょっちゅう便秘になるという人は、他の病気が潜んでいる可能性があるので検査をして単なる便秘なのか調べたほうが良いでしょう。
排便に最も大切な胃・大腸反射を効果的に起こすのは、十分に睡眠をとった翌朝、朝食を食べた後がいちばんといわれています。
朝食後に排便の習慣をつけるのが便秘予防のポイントです。そのためには、朝食をしっかりとり、時間に余裕をつくることが必要です。
便秘薬を使用するにあたって
何日もお通じがなかったり、排便がスムーズに行えず不快な症状がある時には、便秘薬をうまく使って治療しますが、便秘薬は程度の差はあれ、習慣性があり、使い続けると、薬なしでは排便が困難になる可能性が高くなります。からだが薬に頼ってしまって、だんだん薬の量が増えたり、より強い薬を求めるようになるおそれもあるので、便秘薬を使用する時は十分注意が必要です。
市販の便秘薬に多いのは、アントラキノン系といって、古くから便秘の治療に使われてきた生薬やそのエキスがほとんどで、センナ・アロエ・センノシド・ダイオウなどの薬があります。夜に服用して翌朝の排便を促すようにできています。連用すると効きが悪くなるので連用しないようにしましょう。
浣腸薬は肛門から液剤を注入し、直腸を刺激して排便を促します。強力な下剤ですが、習慣性があるので、適応が限られます。肛門近くにたまった便が硬くて内服薬では排便できないときなどに用いるのはやむを得ませんが、できるだけ浣腸薬に頼らないようにしましょう。また、妊娠中に使用すると流産を促す可能性があるので、妊娠中の人の便秘は医師に相談しましょう。
便秘薬を服用し、便通がついてきたら、薬を使わずに排便できるように、食生活の改善や運動などで便秘をしないような生活習慣にしましょう。