広報誌 健康倶楽部/2010年4月号

家族が気づく アルツハイマー病

 アルツハイマー病とは、認知症を招く代表的な疾患です。老年期に発症する老年認知症と同一の疾患とみなされ、アルツハイマー型認知症とも呼ばれています。  

 大脳を主病変とする変性疾患で、物忘れ、不可解な行動をする、言葉がでてこない、突然怒り出すなど、脳の認知機能の低下によって、日常生活に支障をきたします。認知症の有病率は男性よりも女性で若干高く、加齢とともに増えていきます。

 原因不明とされるアルツハイマー病ですが、最近ではβタンパクという物質がたまることで脳の神経細胞が壊れ、さまざまな症状が起こると考えられています。また、大脳皮質の神経伝達物質で有るアセチルコリンが著しく減少することによって認知症が生じると想定されています。

 アルツハイマー病はほとんどの場合、徐々に健忘症が現れ、次第に記銘力、記憶障害が明らかとなり、計算力、判断力、注意力や見当識(時間・場所・人物に関する認識)も障害されます。

アルツハイマー病を予防するには

有酸素運動

有酸素運動

 有酸素運動にはβタンパクを掃除してくれる酵素を増やす効果があり、適度な運動を行うことでアルツハイマー病の発症を抑える効果があるといわれています。有酸素運動は生活習慣病の予防にもなるので、ぜひ日課にしましょう。

食生活

 生活習慣病(高血圧、肥満、高脂血症など)になっている人はアルツハイマー病を発症する危険度が高くなっています。高血圧、高コレステロール、肥満などの症状は脳への血流に悪影響を与えたり、βタンパクをたまりやすくしたりするためではないかと考えられています。生活習慣病にならないためには、栄養バランスの良い食事を規則正しくとる、適正力ローリーを摂取することが大切。

 アルツハイマ一病のリスクを減少させると考えられている栄養素はポリフェノール(赤ワイン、緑茶、ゴマ、大豆など)、DHA(青背の魚)、葉酸(野菜)など。

人との交流

 人との交流(社会的な接触)が少ない人は、アルツハイマー病の発症率が高くなります。人との会話やコミュニケーションは、前頭葉を活性化し、脳を元気にします。一人暮らしの場合は、積極的に地域活動に参加したり、外に出る機会を多くとることが大切です。

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