広報誌 健康倶楽部/2010年4月号

慢性胃炎の多くはピロリ菌!?

 慢性胃炎は、胃粘膜が傷つき、みぞおち付近の痛みや胃もたれ、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、胸焼け、食欲不振などが現れます。  

 ピロリ菌その原因の主なものはピロリ菌(ヘリコバククー・ピロリ)の感染によることが明らかになってきました。食事性因子では、唐辛子やにんにくなどの香辛料やアルコール、コーヒーなどの嗜好品は胃粘膜を傷つけます。暴飲暴食や不規則な食生活は胃に負担がかかることはいうまでもありません。

 また、肝硬変や腎不全などの重い病気は、慢性胃炎がともないやすくなります。 慢性胃炎は、症状と内視鏡検査によって診断されるのが一般的ですが、内視鏡検査で慢性胃炎と診断されても、全く症状の無い人が40%〜50%にもなります。症状がないのに慢性胃炎と診断された場合は、無症候性のピロリ菌感染であることが多いようです。

ピロリ菌って何?

 ピロリ菌は、ウレアーゼという酵素をもち、アンモニアをつくって酸を中和し、べん毛を用いて泳ぎ、自ら住みやすい環境に移動できるという特性をもった菌です。ですから、胃の中の胃酸にもまけず生存することが可能です。胃酸は強力な酸なので、ふつう細菌は死滅するのですが、ピロリ菌はそんな環境でも生きられるのです。  しかし、ピロリ菌は、抗生物質による除菌が可能な菌です。ピロリ菌を除菌することで、胃・十二指腸潰瘍の再発率が低下することもわかってきました。

慢性胃炎と診断されたら…

 消化機能が落ちているので、暴飲暴食は避け、刺激物やアルコールは控え、タバコはやめましよう。

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