広報誌 健康倶楽部/2010年7月号

夏に多発する“うつる”病気

 主に幼児や子どもにできる伝染性の皮膚病で、梅雨時から夏にかけて多発します。とびひは、皮膚の表面に黄色ブドウ球菌が感染しておこる病気で、成人がかかることはまれです。  

 ある日突然、鼻の穴の周囲や手足に直径1〜2ミリくらいの小さな水泡が幾つも集まってできます。やがて破れて水が出てきます。水泡は、黄色ブドウ球菌の毒素が原因で、水泡の中や破れた水泡の表面、かさぶたにいる多数の黄色ブドウ球菌が次々と飛んだように感染するので「とびひ」といわれます。

 水泡が破れたあとはジメジメとした赤肌が現れますが、まもなく乾き、かさぶたができて、数日のうちにそれもとれて治ってしまいます。普通は発熱もなく、全身状態に影響を与えることはありませんが、強いかゆみがあります。幼児や新生児で全身に広がった場合は発熱することもあります。全身に広がった重症型のとびひになると、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群へと移行することがあります。 37〜38度の発熱と、顔面、頸部、わきの下のくぼみなどに一見やけどをしたように赤くなり、触ると痛がります。

とびひの治療

 小さな水泡をみつけたら、早期に医療機関を受診して下さい。水泡が破れて出る汁が皮膚について感染しないよう、抗生物質の軟膏を塗り、患部を覆います。症状が広範囲のときは、抗生物質を内服します。重症になったものも抗生物質療法で2週間程度で治ります。

生活の上で注意すること

 主にアデノウイルス3型や7型の感染でおこる病気で、その名のとおり学童の間にプールを介してうつる流行病です。一般にウイルスは目やのどから侵入しますが、空気伝染もあって乳幼児もかかることがあります。症状は、急に寒気がして、39〜40度の高熱がでます。のどが赤く腫れて痛み、首のリンパ節が痛みます。  

 同時に結膜炎で目が赤くなり、ゴロゴロして痛み、まぶしく、涙やめやにがでます。せき、痰、鼻汁、下痢、腹痛、嘔吐などの症状がでることもあります。熱は3〜4日続き、その他の症状も1週間ぐらいで治ります。学校伝染病なので、主要症状が消え、2日を経過するまでは出席停止となります。届け出れば欠席にはなりません。

プール熱の治療

 特別な治療法はありませんが、熱が高くてつらい場合は解熱薬を服用します。熱が高ければ小児科、目の症状が強ければ眼科を受診します。家庭では、かぜと同じように養生します。下痢や嘔吐をしている場合は十分に水分補給をして下さい。

 この病気が流行している時は、汚れたプールに入らないように心がけることや、プールの前後にシャワーでよく体、手、目を洗いましょう。

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