広報誌 健康倶楽部/2011年1月号

きれいな手足がうらやましい〜水虫・たこ・うおのめ・しもやけ

 水虫 (手足白癬)は、いまやお父さんの病気ではありません。若い女性の間でも大変多くなっています。 また、水虫は夏に多い皮膚病でしたが、現在は暖房の普及や女性のブーツなどのムレやすい靴の影響で季節に関係なく増えています。

 カビの一種の白癬菌が手や足の指の間の風通しの悪い湿り気のある皮膚に感染し、繁殖を繰り返します。治りにくく、他人に感染しやすいので、家族に水虫の人が一人でもいると皆に感染してしまいます。

 病院で薬を処方してもらったけれどもなかなか治らない、とか、すぐに再発するといったこともよく聞きますが、薬で治療をしても、家庭の中に白癬菌が住みやすい状態ですと、再発してしまいます。水虫と思っていたものが他の皮膚病の場合もあるので、受診し、正しい診断の上、治療していくことです。また、感染を防ぐことも大切です。

 

生活のポイント

・浴室の足拭きマットや玄関マットは、水虫の人が素足で歩くと白癬菌がマットに付き、ほかの人にうつります。マット類は洗濯をし、日光に十分に当て消毒すること。

・スリッパなどは共有しない。スリッパや靴は日光消毒をし、十分な乾燥を。

・水虫の人が用いた靴下や肌着、タオル等は他の人が使用しないことはもらろん、洗濯も別にし、日光に当てて乾燥して下さい。

・手を洗ったり、入浴後はからだに残った水分を十分に拭き取り、足指の間などにパウダーをはたくのも良いでしょう。

・ロングブーツなど、乾燥しにくい靴は1日おきにはきかえて乾燥しやすいようにします。

 

 たこ・うおのめは外部からの刺激や圧迫が皮膚の一部に長い間続き、その部分がかたくなって厚みを増したものです。

 たこは皮膚上に角質化し、盛り上がったもので、痛みはありませんが、うおのめは表面と内部にも角質化した皮膚があり、内部につきだしたものが真皮を圧迫し、神経を刺激するので痛みがあります。そのままにしていても悪化する心配は無いのですが、靴にあたって痛みがあるので、うおのめ用のバンソウコウで応急措置をするとよいでしょう。

 しもやけ(凍瘡)は、寒さや低温が皮膚に加わるために、静脈にうっ血が起こるものです。子供や女性に多いのですが、抹消の血流の悪い糖尿病や動脈硬化などがある高齢者にもみられます。しもやけと似た症状の病気があるので、素人判断でしもやけと決めてかからずに一度受診することをオススメします。

 季節はずれにできたり、関節の痛みやむくみの伴うもの、温まってもかゆみが出ないものなどの時は診察を受けたほうが良いでしょう。

しもやけの予防には

(1)手足を靴下や手袋で保温し、冷やさない

(2)水仕事の後は水気をよく拭き取る

(3)血流が良くなるようにマッサージをする

主婦湿疹

 主婦湿疹は水仕事をする女性によく起こるものです。指や手のひらに、小さな赤いブツブツがかたまってでき、かゆみがあります。かきこわすと汁が出るものがあり、ジュクジュクと湿潤しています。赤い斑となったあと、かさぶたができ、かゆみも強くなります。

 主婦湿疹ができてしまったら、しばらく水仕事をやめるか洗剤などと直接触れないようにするのが良いのですが、なかなかそれができないのが実情でしょう。

 対策としては、外からの刺激を防ぐために、水仕事や洗剤などを扱うときは、木綿の手袋をし、その上からビニール手袋やゴム手袋をして直接触れないように心がけることです。また、濡れた手をそのままにせず、きれいに洗ってよく拭き、その後、ハンドクリームなどを塗っておくと良いでしょう。手がよく荒れる人は、皮膚科を受診し、医師に相談しましょう。

 

健康倶楽部トップページへ

総合南東北病院トップページへ