広報誌 健康倶楽部/2011年1月号

「生活習慣病」を防ぐ食習慣

 生活習慣病は日常の習慣が積み重なって発症します。「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」をはじめ、心臓病や脳卒中など命にかかわる病気にたどり着いてしまうことになります。

 生活習慣病の原因は、偏った食生活や運動不足があげられ、過剰なストレスや喫煙などもかかわっています。

 なかでも大きな要因を占めるのが食生活といえるでしょう。生活習慣病が近年増え続けているのは、高エネルギー・高脂肪の食事になっていることが原因です。

 

 

ここ一週間何を食べましたか?

お肉ばかりの食事になっていませんか?

食物繊維が豊富な野菜をしっかりとれましたか?

 

 

 まず食生活を見直し、自分の症状に合った食生活をすることが重要です。生活習慣病になる人のほとんどが過剰なエネルギー摂取のために肥満しがちです。

内臓脂肪が多い

 内臓脂肪型の肥満は「高脂血症」や「糖尿病」などになりやすく、心筋梗塞や脳梗塞を招く危険が高くなります。しかし、内臓脂肪は比較的減らしやすく、食事を改善すれば効果が出やすいので、まず摂取エネルギーを適量にします。

 

ポイント

・主食に玄米をとり入れ、食物繊維を必ずとるようにする。玄米がどうしてもダメな人は毎食ご飯はお茶碗一杯だけと決める。

・たんぱく質は白身魚や大豆などの植物性たんぱく質でとり入れる。肉を食べるなら脂肪を落とすような調理法で。マヨネーズやドレッシング、炒め用の油も注意。

・野菜、きのこ類、海藻などを積極的にとり入れ、食物繊維で老廃物の排出を促す。これらは低エネルギー食品なので食べても安心です。

血圧が高い

 高血圧を放置しておくと、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす要因になるので、血圧を正常値にするために食生活の改善と適度な運動をし、タバコをやめ、アルコールを制限する必要があります。まず、栄養素が偏らないようにバランスのとれた食事を心がけます。肥満しないように摂取エネルギーを適正にとるようにすることと、減塩の食事を心がけます。

 

ポイント

・降圧作用のあるカリウム、マグネシウムなどのミネラルが多く含まれている食品を積極的にとり入れる。そばやバナナ、ナッツ類、緑黄色野菜などに多く含まれています。

・血中コレステロールを減少させるEPA(エイコサペンタエン酸)を含むサバ、さんま、ぶり、アジなどの魚を煮魚で食べる。

海藻類は血圧上昇を抑える食物繊維がたっぷりです。

・塩分は1日8gを目安に。ちなみにたっぷりカップラーメンに含まれる塩分は約5gです。

血糖値がが高い

 おそろしい合併症が進行しないうちに、血糖値を正常値にしなければなりません。血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことで空腹時の血糖値が126mg/dlを超えると糖尿病が疑われます。

 高血糖の場合、食生活を改昔することと、運動して肥満しないように心がけることではとんどの人が血糖値は下がっていきます。

 食生活は、飽和脂肪酸の多い動物性脂肪の摂り過ぎに注意し、野菜やきのこ類などの食物鈍維は血糖値の上昇をゆるやかにするので毎食とるようにしましょう。

 

ポイント

・脂肪が少ない魚や皮をとり除いた鶏肉などでたんぱく質をとるようにする。

・揚げ物や油を多く使った料理は避けたい。又、外食はエネルギー過多になりがちなので注意しましょう。

・食物繊維が豊富な低エネルギー食品を選んで食べる。

・甘い物の間食はやめる。

尿酸値が高い

 尿酸値が高いと、痛風や動脈硬化などを引き起こします。高尿酸血症の原因は遺伝的な体質も関係しますが、肥満やアルコール摂取、プリン体の過剰摂取なども要因とされています。尿酸値の高い人は、尿の量が少なくならないように水分摂取を心がけて下さい。尿酸は溶けにくい物質なので過剰に蓄積されると、尿酸塩という結晶になり、関節や腎臓にたまってしまい、急性関節炎を起こした状態になるのです。これが痛風といわれている病気です。

ポイント

・エネルギーをとり過ぎないこと。肥満をすると尿酸の排泄が抑制されてしまうので一日の摂取エネルギーを制限しましょう。

・プリン体の多い食品を控える(アルコール、干物、塩臓品、豚ロース、えび、カニ、まぐろなど)

・水分摂取は少なくならないように、お茶や水で補給。

・野菜や大豆製品などを積極的にとり入れましょう。

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