広報誌 健康倶楽部/2012年2月号

口腔の病気〜口内炎〜

口の中の粘膜に、いろいろな症状が現れる口腔粘膜疾患の中で、比較的広い範囲に病変がおこって炎症をともなう場合を、口内炎と総称します。症状によって種類が分けられていますが、口の中に原因があるものや、全身的な病気の症状のひとつとして口内炎がおこっている場合もあります。また原因がよくわからない口内炎もあります。

<アフタ性口内炎>

口腔粘膜に、円形あるいは楕円形の浅い潰瘍(アフタ)ができるもので、1個の場合もあれば数個できる場合もあります。歯肉が腫れて出血しやすくなります。強い痛みがあり、食べ物がしみたり刺激すると痛むので、乳幼児の場合は食べることを嫌がる場合があります。脱水症状にならないように水分をこまめにとらせることが必要です。 7〜10日ぐらいで治りますが、再発することがあり、再発を繰り返す場合を再発性アフタといいます。

■原因

アフタそのものの原因はまだはっきリしませんが、誘因になるのは、過労、精神的ストレス、胃腸障害、ウイルスの感染、ビタミン不足、妊娠、月経異常などです。

■治療

基本的には、水分をこまめにとり、刺激の少ない食べやすい物をとって自然に治るのを待ちますが、口の痛みが強く、食事がとれないような場合や頻繁に再発を繰り返す場合は医療機関を受診しましょう。予防としては、過労やストレス、胃腸障害などの誘因となるものを避けるようにし、うがいをし、口腔内を清潔に保つようにします。

<カタル性口内炎>

口腔粘膜が赤く腫れ、口腔内の熱感、唾液の分泌に増加がみられ、すっぱいものや塩辛い食べ物を口に入れるとしみることも少なくありません。舌の縁や歯肉に多くおこります。

■原因

義歯や金属冠などの刺激や歯の噛みあわせが悪い場合、かぜや胃腸の病気の部分症状でおこったりします。

■治療

原因となっている刺激が何なのかを調べ、それを取り除くことと、口の中を清潔に保つようにうがいを行います。

<潰瘍性口内炎>

歯肉、舌、口蓋など口腔粘膜の色々な部位に潰瘍が生じ、病変部に灰白色のかさぶたができることが多く、かさぶたをはがすと出血する場合があります。高熱が出て、口腔内は発赤し、小さな水泡ができ、それらが破れて形の一定しない大小の潰瘍となります。原因としては、ウイルス感染と考えられていますが、はっきりしたことはわかっていません。

<褥瘡性潰瘍>

持続的に機械的な刺激が加わっておこるものです。刺激が加わる部位にほぼ一致して周囲が少しもりあがった潰瘍やただれができ、刺激が長くつづくとしこりやでこぼこができることがあります。原因は、ほとんどが合わない義歯や誤った方向に生えている歯などに問題がある場合です。

歯科で刺激の原因となっているものを取り除く治療をすれば治ります。刺激が続くと口腔ガンの誘因になる可能性もあるので早めに歯科を受診しましょう。

 

口内炎になりやすい人は、予防が大切です。

@口の中を清潔に保つ習慣をつける

うがいや食後の歯みがき

A栄養状態を良好に保ち、抵抗力を高める

良質のたんぱく質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンCを積極的にとりましょう。これらの栄養素は体の抵抗力を高め、細菌の感染を防ぐ力を高めます。

B疲れを次の日にもちこさない

疲れやストレスは口内炎を発症する誘因になります。

C歯の噛み合わせや義歯が合っているかなど歯科でチェックをしてもらう

頬の内側など同じところを何度も噛んでしまう人は歯の噛みあわせが合っていないのでは?歯科で相談しましょう。

※口内炎は白血病や、ベーチェット病など、重篤な病気の初発症状の場合も考えられます。自己判断ではなく、早めに口腔外科や歯科を受診しましょう。

 

 

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